67話 側室選び
高遠城。
「開門!」
門番の足軽が言う。
「お帰りなさいませ。」
茶々は門まで迎えに来てくれた。
「話したき儀がございますゆえ、奥の部屋へ。」
茶々は笑っていたが、目が笑っていなかった。
俺は話したき儀とやらを考え始めた。
「どうぞ。」
俺は部屋の中央に座った。
茶々は、話し始めた。
「あなた様は、いつになったら側室を迎えられるのですか?あれほど言ったのに、まだ分からないのですか?」
「畠がいるじゃん。」
「畠だけでは足りぬのです。なので、東様が安土へ行っている間、側室になれそうな娘を呼び出してきたのです。」
え?
「うそ~」
「噓ではございません。では紹介いたします。小松!」
「はい。」
きれいな声が聞こえてきた。
「あっ。」
俺は思わず声を上げた。
困った、綺麗すぎる。綺麗すぎるって。
「小松です。父は寺子屋を開いています。」
俺は悩んだ。
「・・・れ。」
「今、何と?」
小松は俺に聞き返した。
「側室になれ。」
「はい、分かりました!」
小松は、俺の側室になった。
「次、星!」
「はい!」
強気な女性の声が聞こえた。
「星です。旅芸人の座長を務めています。」
星はそう言うと、お供の芸人に綱渡りの準備をさせた。
「・・・はっ!」
星は綱の上で扇を開き、踊り始めた。
最後に、綱の上でアクロバットを繰り広げた。
「側室になれ!」
俺は言った。
次は・・・
続く
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