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62話 秘密
「そうか!」
俺は声を上げた。
「どうしたのです?」
茶々が聞く。
「咲と舞の秘密が分かった。」
「どのような秘密ですか?」
「咲や舞たちが池に飛び込む前、2つの石を投げ込んだ。あれは、2つの波紋を重ねるためだったと推測できる。」
「その行動に何の意味が?」
「俺の好きな小説に書いてあった。水は時間線を持っている。だから、何らかの条件がそろうと、時間線と時間線を移動できる。その条件が、2つ以上の波紋が重なる事。そうすれば、時間線の乱れる場所へ行く事ができる。」
「時間線は複数あるのでしょう?どうやって選ぶのですか?」
「その小説には、『願いが純粋であれば、水の流れが導いてくれる。』と書いてあった。」
「そうなのですか?」
「ああ。明日、試してみよう。」