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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
55/178

55話 茶々が怒るとハリセンボウ

「信長様、畠という方からの贈り物でございます。」

力丸は俺に進言した。

「持ってこい。」

俺は命令した。

しばらくすると、漆塗りの文箱と、黒薔薇が包まれた和紙が差し出された。

俺は文箱の中に入っていた和紙を手に取り、内容を読んだ。

「えっ、これやばい意味の和歌だろ。」

俺は側にいた茶々を見た。

「どうしたのです?」

茶々は源氏物語を読みながら、涼やかな声で言う。

俺は返事の仕方が分からなかった。

「お見せください。」

茶々は俺の手から、和歌が書かれている和紙を抜き取った。

「・・・素晴らしい。素晴らしい和歌です。」

「本当か?」

俺は茶々が怒るのではないかと思っていた。

「畠殿は素晴らしきお人にございます。是非、畠殿を側室に。」

「側室を迎えると、茶々が悲しむかなって・・・」

「バカな事を言うのはおやめくだされ!東様を好きになってしまった畠殿の気持ちは、私の気持ちと一緒です。」

茶々はすごい剣幕で怒鳴った。

「分かった。分かったから。」

俺は茶々の説教をエスカレートさせるまいと、苦笑いしながら茶々をなだめた。

茶々は時々ハリセンボウのように怒る。

でも、怒る時の表情も何となくかわいい。

思わず、ニヤけてしまった。

ビシッ!

茶々の扇が俺の頬を打ちすえた。

「痛ッてっ。何するんだよ茶々。赤くなってんだぞ、もう。」

「何するんだよじゃなくて何してんだよ!ぼけーっとイヤらしい事考えているヒマがあったら、領地を発展させるために手を尽くす物です。伯父上から与えられた領地であるにも関わらず、未だに分国法を定めていないではないですか。」

「分かった。今すぐ考える。考えるから。」

「その前に、畠殿への返事を。」

「はいぃ。」

俺は和紙と墨を用意すると、畠への返事を書き始めた。


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