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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
54/178

54話 畠の片思い

私、畠。

東様がいないから、医者になって稼いでいた。

今は、借りた宿で、源氏物語を読んでいる。

・・・とってもヒマだ。

本当は、東様の正室になりたい。

しかし、東様の正室・茶々様は、世の権力者である信長様の姪である。

それに、茶々様は既に懐妊していると聞いている。

まだ子ができる可能性が高いのに、いきなり側室を迎える訳にはいかないだろう。

筋が通らない。

・・・そうだ、和歌を送ろう。

最近、庭で咲き乱れている、黒薔薇と一緒に。

私は和紙と筆を用意し、東様に送り届ける和歌を考えた。

(黒薔薇と一緒に送るから、黒薔薇に関係していて、自分の恋を伝えられる和歌。よし、決めた。)


黒薔薇に 我の思いを 吹き込めて 求めし物は ただ側室のみ


この和歌と、黒薔薇を、屋敷に送ろう。

「なつ。」

なつとは、織田家から与えられた侍女だ。

「これを坂本城付近の斎藤利三の屋敷に。」

「ああ、東様なら信濃の高遠城に移動されましたよ。」

「え?じゃあ、届けられないの?」

「そういう事では無いのですが。ここ、近江は信濃から遠い。この和歌と黒薔薇が届く前に、黒薔薇が枯れてしまいます。」

「ならば、和歌だけを持ち、甲斐に向かえ。甲斐には黒薔薇が多いと聞く。甲斐の黒薔薇を摘み、

和歌と共に届けよ。」

「はっ。」

なつは馬を走らせて、はるか東の甲斐へ向かった。


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