5話 松姫
もし本当に本能寺の変が無かったら、こうなっていたと思います。
「松姫様、ご到着!」
信長様から与えられた部屋で眠っていた俺は、そのけたたましい声で呼び起こされた。
松姫って武田信玄と油川夫人との間にできた信玄の五女だったはず。武田に攻められる事を恐れた信長様は、実の姪で養女である遠山姫を嫁がせた。
しかし、武王丸という子を産んだ後に死んでしまう。
あせった信長様は松姫と自分の長男の信忠様を婚約させた。が、武田が裏切り、婚約は解消された。
<松姫の詳しい情報>
・母は油川夫人
・七歳で信忠様と婚約
・婚約は五年後、破棄
・本能寺の変の際は、北条が用意した輿で京に向かっていた途中
松姫歓迎パーティーが大広間で行われた。
俺は、信長様と信忠様の恩人として、出席した。
そして、信長様は集まった家臣達に発言した。
「明日、信忠と松の祝言を行う!」
家臣達は頭を下げた。俺も、頭を下げた。
翌日、信忠様と松姫の祝言が行われた。
俺は祝言が終わると、こっそり信長様の部屋に向かった。
「どうした、東。」
「あの、どうして敵対していた武田の姫を嫡男の正室にしたんですか?」
「信忠が嫡男だからだ。」
「はい?」
「嫡男は家の中でも厚遇を受けるものだ。嫡男が求めているなら何でも用意する。だからだ。それに、わしは信玄を恨んでいたわけではない。」
「そうですか。」
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