47話 病気の原点は誰ぞ
「あなたなんて大嫌い。浮気なんてしてっ。」
俺は茶々にフラれてしまった。
誰かが、俺が浮気をしているというデマを流したらしく、それを茶々が信じ込んでしまったのだ。
「もういいわ。側室だってなんだっていい。私はあなたのことが好き。」
茶々は机に伏せた。
「茶々、もう一度その美しい顔を見せてくれ。」
ここで茶々にキスをして、茶々を驚かせてやろう。
「分かりました。あなた様は見たいのですね、私の顔を。」
茶々は顔を上げた。
うん、いつものように何とも美しい顔・・・あれ?ツチノコ?
「お前はこの顔をあざ笑うか?ギャハハハハハハハ。」
「ぎえええええええええええええ――――っっっ。」
「ぎえええええええええええええ――――っっっ。」
俺は自分が発したこの奇声で目を覚ました。
「殿!どうなされましたか?」
政宗が駆けつける。
「いや、なんでもない。ただ、その~悪夢を見て。」
「そうでございまするか、てっきりそれがしは、殿が病気になってしまわれたのかと。」
「何の病気だ?風邪とかではないだろうな?」
「名前は特にないのですが、奇妙な行動を起こすようになる病気です。近江を中心に、広がっております。」
「そうか。」
俺の知る歴史では、そのような病気は流行していないはず。
やはり、この時代には俺以外にもタイムスリップしている人がいるのだろうか?
そして、行方不明になった有名人はいるだろうか?
いるとすれば加藤亜希子37歳。
おれが殴られる2日くらい前に行方不明となった。
可能性としてはありえる。
そして、一番怪しいのが大滝奈々。1つ年下の妹。
畠が言っていた義理の姉。
畠は14歳。14歳の1つ年上は15歳。
奈々は今、15歳。
どう考えても怪しい。
ただ、俺がタイムスリップしたのはつい最近。
奈々はその後にタイムスリップしてきたはずなんだから、畠の証言が気になる。(44話参照)
どっちにせよ、今は上杉攻めに集中しなければ。