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45話 妊娠の予兆
私は茶々。東様の正室。
「茶々様。」
三成が言う。
「何じゃ。」
「顔色が悪いですよ。」
「そうか?大丈夫じゃ。気にすることはない。」
でも、少し苦しい。
・・・もしや、妊娠したのか?
いや、ちがう。14歳で妊娠はありえない。
・・・でも、前田利家殿の正室、松殿は11歳が初産。
それに、二男九女の子宝に恵まれている。
「三成、医者を呼べ。」
「はっ。」
医者はいかにも気難しそうな顔で頭を抱えている。
「強いだるさと吐き気、めまい。これは確実に妊娠されていますね。おめでとうございます。」
「誠か?」
「はい。うそはつきませぬ。」
私はうれしい。ついに母となれる。
母上も喜ぶ。
「三成、早く東様に知らせよ。」
「はっ。」
私はその日、落ち着かなくて眠れなかった。
ちなみに、武田信玄の娘は15歳で妊娠したそうですよ。