43話 春日山城攻め
俺は今、信長様に与えられた3万の軍勢を率いて、越後の上杉の領地に攻め入った。
「まずは、春日山城を攻める。政宗、戦支度をせい。」
「ははっ。」
政宗は陣に戻っていった。
「東様、我らは大筒を所持しております。しかし、数はそれほどありません。どの部隊に大筒を持たせますか?」
蘭丸が聞く。
「蘭丸、そなた大筒は使えるのか?」
「はい。安土にいたころ、よく信長様に教えられましたから。」
信長様は槍や弓、刀ではなく鉄砲などを重視している。
新しい戦法で敵を打ち破るのが、信長様の特徴だ。
「ならば、そなたに任せる。頼むぞ、蘭丸。」
「はい、東様。必ずや勝利を掴み取りましょう!」
俺は甲冑を着ると、出陣命令を出した。
指揮は俺が取る。
「狙いは本丸だ、撃て!」
本丸にはたくさんの兵が籠もっているはず。
だから、本丸を攻撃し、兵が逃げてきた所を討ち取る。
そういう戦法だ。
「総大将!」
足軽が飛び込んできた。
「どうした?」
「伊達政宗様、森蘭丸様の2名が、敵の所有している鉄砲で撃たれました!」
その報せに、俺は飛び上がった。
「容体は?」
「意識を失っています。」
俺は刀を抜き、城へ突撃した。
こんなに怒り狂ったのは初めてだ。
家臣の仇は主君が討つ。
俺は足軽たちを斬り捨てていった。
「本丸に籠もっていた足軽たちが逃げ出したぞ!」
春日山城は大滝の名のもとに落城した。
城攻めに成功したのはうれしいが、蘭丸たちのことが気になる。
俺は蘭丸の陣へ走り出した。