表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
29/178

29話 不思議なお香

ふふふ。

松姫様に信玄様の言葉を聞いてもらわねば。

そうしないと、勝頼のバカの怨念は永遠に獲りついたまま。

それを防ぐべく、私は今ここにいる。

「さくら、何をしているの?」

「特製のお香を作っているのですよ。」

「そう、完成したら使わせてね。」

「もちろんです。」

もちろん、使わせる。

このお香は、ただのお香ではない。

匂うと、危篤状態に陥るお香だ。

実は私は幼い時から香道を習っていた。

何と何を調合すればどのような香ができるかが分かるのだ。

「松姫様、できました。」

「では、さっそく・・・なっ!さくら貴様、裏切ったのか?」

「私はやるべき事をしたまで。」

「くっ。」

◆◆◆◆ ◆◆◆◆

ここはどこ?

死んだ事は分かっているけど、ここはどこ?

あの世、だよね。

「松。」

「え?」

この声、もしかしたらだけど、父上?

「父上、ですか?」

「ああ。松、久しぶりだな。言いたい事はたくさんあるが、特に言いたい事はこれだ。仇討ちなどするな。わしはそのような事をされてもうれしくは思わぬ。信忠を婿として、慕ってほしかった。」

「でも、勝頼兄様あにうえが信長と信忠を殺せと言っているのですよ。」

「あのバカ息子の言う事を聞くな。あいつは器が小さすぎる。義信の方がまだ良かったぞ。だから、ともかく仇討ちはするな。」

「でも、もう信忠を殺してしまって・・・」

「大丈夫だ。信忠は毒に強い体になっている。」

「でも、信忠は床についています。」

「あれは単なる食あたりだ。だから、仇討ちはやめろ。」

「・・・はい。分かりました。」

◆◆◆◆ ◆◆◆◆

「はっ。」

「お気づきになられましたか?」

「あなた、裏切り者じゃなかったのね。」

「お分かり頂けましたか。」

「秀忠殿は?」

「仇討ちを拒否なされました。」

「良かった。」

これで勝頼のバカの願いは途絶えたわね。

ふふふ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ