23話 船酔い
「おえええええっ。信長様あああっっっ。」
船でポルトガルへ向かっていた俺は船酔いで苦しんでいた。
「はははっ。わしと茶々は慣れているからのう。お前もいつかは慣れる。」
信長様はこの状況で笑っている。
すごいどころかやばい!
「ていうか信長様、この船、揺れすぎじゃないですか?」
「ああ、ダントツで速い速度だからな。」
「おっえええええ。うっえええええ。」
人間とは思えない、ゾンビのような声を口にする俺。
茶々はもはや腹筋崩壊した感じだ。
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ふっふっふ。
産まれてくる子には悪いけど、信忠は殺す。
今こそ亡き父上、兄上の恨みを晴らす。
信忠はただ、あいつの血を根絶やしにしたいから殺すだけ。
私が本当に殺したいのは、織田信長。
優しさのかけらも無い魔王は生きる権利何て無いのよ。
でも、やっぱり信忠への思いはそう簡単にはねじまげられない。
だから、織田信長と信忠を殺した後、お市、茶々、初、江も殺し、最後は私も自害する。
「父上、兄上、信長の死体はもうすぐ送りますからね。」
喜びの感情にあふれた私は、織田家にとって重大な損害を意味する独り言をつぶやいた。
さあ、計画開始よ。