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22話 茶々は賢妻
安土城から使者が来た。
この前、俺は信長様にポルトガルに行きたいと話した。
信長様は考えてみると言っていた。
使者によると、明日、ポルトガルに出発するという事が分かった。
「やったっ!」
茶々は飛び上がって喜びを表した。
「良かったな、茶々。」
「はい。これも東様のおかげです。ありがとうございます。」
「いいか。お前は俺の妻だぞ。遠慮せず、何でも言えと申したではないか。」
「そうでしたそうでした。神様、ありがとうございます。」
「って、神様に感謝していたのか?」
「そうですよ。だって東様は神と一緒ではありませんか。」
「何でだよ。」
「だって、未来から来られたのでしょう?そして日本国を平和に導こうとしているのですから、それはもう神様でしょう。」
「ああ、そういう事か。」
「そうですよ、分かってくださいますか?」
「ああ、分かった。」
茶々は賢妻だ。
喜ぶ時は喜び、何か言いたい事があればすぐに言う。
やはり、織田家は賢き人がいっぱいいる。
俺の目は、狂っていなかった。