21話 茶々の作品
本、大好きです。
茶々が物語を書き始めたようだ。
試しに読んでみると、なかなかおもしろい作品だった。
「東様、どうでしょうか?」
「うん、おもしろいぞ。完結したら、農民たちにも読ませてみよう。そうすれば、家臣も増えると思う。」
「はい。お役に立てるのであれば、必ずや、完結させてみせます。」
茶々はそれから、熱心に物語を書くようになった。
そして、ついに第一作目が完成した。
題名は『京の都の殺人鬼』。
なかなか過激な名前だろ?
まあ、京の姫君に仕える主人公が、駆け落ちのために殺人鬼となる物語だ。
最後は恋人が浮気し、恋人をパーティーに呼び放火する。
自らは白刃で首を斬るというあらすじだ。
ホラーな感じがあるけど、恋愛という視点で見てみると、なかなか泣ける物語だった。
さっそく、農民たちに読ませてみた。
意外にも『京の都の殺人鬼』は人気となり、仕官を希望する者も来た。
会ってみると、茶々と同じくなかなかの美人だった。
左から自己紹介が始まった。
「和子です。」
「つばきです。」
「桔梗です。」
和子は俺や茶々とちがってバリバリの理系。
収入などを計算する時に使えそう。
「採用!」
つばきはスパルタ教育が得意と言っていたので、大滝家教育係筆頭に就任させた。
桔梗は女性であるにも関わらず、剣道、弓道、柔道に優れていたので、大滝家武術係筆頭に就任させた。
「本日より、大滝家の名に恥じぬよう、はげめ。」
これもはや決め言葉じゃん。
「はい!」
私はバリバリの文系です。