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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
輪廻編
173/178

173話 影武者

先日、織田家から文が届いた。

その文には、驚きを隠せない一文があった。

『信長様は、生きている。』

死んだはずなのに、どうしてだろう。

目を閉じ、大名家について知っている事を頭に浮かべていく。

数分ほど経過し、庭の木の枝から鳥が飛び立つ音を聞いた時、『影武者』という言葉が頭に浮かんだ。

身分の高い武将は、常に命を狙われているといっても過言ではない。

故に、武将は自分の身代わりを用意し、いざという時には身代わりを置き去りにして逃げる。

この身代わりが、時代劇でいう影武者だ。

信長様は蘭が自分の命を狙っている事に気付き、影武者に死んでもらったのだろう。

だが、いつから気付いていたのかが不思議だ。

毒を少しでも食らったのなら、解毒罪を飲むか、名医に診てもらうか、何らかの処置をしなければならない。

俺は大和の宿で宿泊しているので、安土城はまあまあ近い。

車や飛行機があれば、奈良から滋賀なんて一時間くらいで行けそうなのに。

まあ、馬上からの景色も綺麗なんだけどね。

やっぱり上空からの景色の方が綺麗だな。

現代に帰ろうと思えば、奈々のタイムマシンで帰れるのだが、俺には家族がいる。

家族を裏切る訳にはいかない。

茶々さえいれば、上空からの景色なんてどうでもいい(そんな事言ったら側室が怒りそうだけど)。



暗い廊下を歩く。

俺の正室・茶々は蘭と交戦し、腹部に深い傷を負っている。

俺も腹部に傷があるが、完治した。

昔から、傷が治りやすい体質なのだ。

障子を開ける。

「傷はまだ痛むか?」

「はい。ですが、生活に支障が出るほどの痛みではございません。」

読書好きの茶々は、いつも書物を手にしている。

「お前は大滝家の当主である俺の正室なのだ。回復したら、武術を学ぶ事も忘れるなよ。」

「はい、心得ております。」

にっこりと微笑む茶々は、女神のようだった。



織田信長は重要人物ですから、ここで死なせる訳にはいきません。

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