表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らは信長家臣団  作者: 大和屋
輪廻編
169/178

169話 浪人

◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 蘭視点 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆


私のような小娘がたった1人で大滝家に立ち向かうなんてできない。

だから、仲間を集める事から始めよう。

不正に入手した大金で、浪人たちを買い集める。

人は『義』ではなく、『利』で動く。

浪人たちを買えば、そいつらはもう私の手足。

近江と大和やまとの国境付近には、浪人がうろうろしているらしいので、行ってみよう。

道中には素敵な商品が沢山売ってあったが、欲を抑えて歩き続けた。

大滝家に対抗する為、というよりかは、自分にとっての幸せがどういう物なのかを調べる為。

人攫いに攫われた時から私は、自分にとっての幸せが何なのかが分からなくなっていたのだ。

初恋の人である東様の側室になれたというのに、どうしてだろうか。

裕福な家庭で育って、望む物を全て手に入れて、好きな人と結婚できれば、それで幸せという訳でもない。

前方に、つぎはぎだらけの服を着ている男たちが見えてきた。

「お前、誰だ?」

目つきが悪い。

そりゃそうだろう。

私は、平民たちでは入手不可能なおしろいと口紅を使っている。

自分たちを馬鹿にしにきたのかと誤解しているのだろう。

「私の名は蘭。元は大滝家初代当主の側室だったが、ここに逃げてきた。お前たち、私の手下になる気はないか?もちろん、腹一杯食わせてやるし、金は好きなだけやる。」

浪人たちの目に光が戻った。

「本当なのか?いや、本当ですか?」

「本当だ。」

浪人たちは歓喜する。

「早速、飯を食いに行こう。」

手下を連れて飲食店に行き、昼食を済ませた。

「これだけの人数なら、屋敷をで完成させる事ぐらい簡単だろうから、家を作れ。木材は近くの森の木を伐採してこい。」

具体的に言うと、200人ぐらい。

高遠城の城下町の人口に比べたらかなり少ないが、別にかまわない。

朝から晩まで働き、1週間で木造の屋敷が完成した。

広い訳ではないが、狭い訳でもない。

この屋敷なら質素で目立たないし、隠れるのに最適だ。

「まずは五十路の者たちから風呂に入れ。その次に二十歳未満の者たちが風呂に入り、最後に成人たちが入れ。」

200人もいるのだから、統率が大変だ。

夕飯の支度もまだできていない。

忙しいけれど、楽しく過ごせそうだ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ