163話 嫁入り
現在、俺の側室は蘭、星、小松、菊の4人。
相変わらず茶々は、「側室を迎えろ」とうるさいが、迎えるつもりはない。
だが、政略の為であればかまわない。
先日、尾張のとある商家から文が届いた。
どうやら自分の娘を側室にさせようとしているようだ。
「政宗、この件についてどう思う?」
「側室に迎えるのは商家の娘です。となれば、財政が圧迫されている状況でも金銭を要求する事ができます。それがしは賛成です。」
「分かった。」
茶々は許可しているし、他の側室たちも何も言わないので、祝言を挙げても問題ないだろう。
10日後、商家の娘が嫁いできた。
輿に乗っているので外から顔を見る事は不可能だ。
祝言の準備は整っている。
祝言を挙げる部屋で待機していると、商家の娘が来た。
顔はよく見えない。
土下座したままぴくりとも動かず、俺が話すのを待っている。
「面を上げよ。」
ああ、美しい。
茶々を除き、俺の妻の中で一番美しい。
切れ長の目、綺麗な肌、商家の娘とは思えないほどの豪華な着物。
家臣たちの顔が赤くなっている。
「里穂と申します。」
祝言を終えると、茶々が話しかけてきた。
「あなた様は、満足ですか?私たちは役目を果たせていますか?」
「一応。でも、みんなだいたい趣味が一緒だから、個性が無いんだよな。」
「・・・分かりました。」
何をするつもりなのだろう。