16話 松姫様懐妊
松姫様が嫁いで来てからしばらくたった。
松姫様が俺の屋敷に来ることになった。
となると、俺たちはこの時代にない料理を作ってもてなした方がいいと思う。
「ついに、私の出番が来ましたね。」
「頼むぞ、茶々。」
「ところで、出す料理はもう決めたのですか?」
「そこが悩みのタネ。そうだ!からあげだ!」
「何です?そのからあげとやらは。」
「ニワトリの肉を油で揚げたやつ。」
「東様、この時代では、食肉は禁止されているのです。ですから、肉であるという事は、松姫様には秘密で。」
「分かった。力丸、初仕事だ。威勢の良いニワトリを連れて来い。」
「ははっ。」
数時間後。
「力丸、あのさあ。」
「お気に召されなかったのですか?」
「いや気に入ったけど、何で10匹も連れて来たの?松姫様そんな大食いじゃないでしょ。」
「自己判断で選んではまずいので、東様自らお選び下さい。」
「んじゃあ、これ。」
「かしこまりました。」
当日。
その日は、朝からけたたましい声がひびいた。
コケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ
それは、力丸がニワトリの体を斬った際に出た、ニワトリの鳴き声だった。
俺は住民たちに謝ると、力丸を呼びつけた。
「申し訳ありませぬ。切腹してお詫び申し上げます。」
「やるな。俺はな、切腹とかいうものはただの責任逃れにしか思っていないのでな。これからは昼にやるぞ。」
「ははっ。」
松姫様が来た。
「これはまあ、おいしい食べ物ですね。」
俺は松姫様と話しをしていたが、松姫様の容体が急変した。
「松姫様?具合が悪いのですか?」
「悪阻です。心配はいりません。」
「もしかして、懐妊なされたのですか?」
「はい。やっと信忠様の役に立つ事ができます。」
「あ、でも信忠様の跡継ぎはもう決まっています。」
「そんな・・・」
「気にしないでください。子供がいるだけでも喜ばしいですよ。」
「そうですよね。ありがとうございました。」
松姫の子供の性別、名前。
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