158話 ロシアとの戦い
夜、宿からこっそりと抜け出して安土城に登城した。
「こんな真夜中にお供も連れず来たのか。」
ありえない、という表情で信長様は言う。
「心配をかけてすまない。だがわしは大丈夫だ。安心して・・・」
信長様は激しく咳き込んだ。
「大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄る。
信孝様の死により、精神的なダメージを受けているのだろう。
「ロシアへの進軍は中止にしますか?」
「いいや、予定通りロシアを攻める。」
まあ、そう答えると見当はついていた。
ロシア討伐に呼応した大名たちは、莫大な出費を余儀なくされている。
今さらロシア討伐を中止にすれば、諸大名たちの反感を買う事になる。
それだけは何としても避けたいのだろう。
「分かりました。予定通りにしましょう。」
午前3時頃に安土城に登城したから、眠くて仕方ない。
自業自得だ。
織田の軍勢と合流し、朝鮮の土を踏み、ロシアに攻め込んだ。
敵軍の大将はイウァン4世。
<イウァン4世の詳しい情報>
・母は公爵を父に持つエレナ・グリンスカヤ。
・1584年に死ぬので寿命が近い。
俺が得意なのは日本史だから、ロシアの歴史についてはあまり詳しくない。
「かかれー!」
ボーッとしていたら、信長様の声が戦場に響いた。
槍を振り回して暴れる。
大将が最前線で戦えば、足軽たちの士気が上がる。
信長様から教わった事だ。
「!」
俺の右肩に弾丸が食い込んだ。
敵は、日本とは比べ物にならないほどの面積と軍事力を持つ大国だ。
そんなロシアなら、最先端の技術を持っていてもおかしくはない。
慌てるなと、自分に言い聞かせる。
落ち着いて、呼吸を整えよう。
槍が折れたので、抜刀した。
刀はあまり役に立たない。
銃や弓矢とは違い、遠距離から攻撃する事が出来ないからだ。
槍は遠距離とはいえないが、敵と間隔を空けて行動出来るので、まあまあ役に立つ。
「頼む、政宗!俺は雑兵たちを何とかするから、お前は敵本陣に突っ込め!」
「御意!」
掴みかかってきた雑兵を殴り飛ばす。
大将を討ち取った時点でこちらの勝ちなので、本陣に集中しよう。
「伊達政宗、敵の総大将、討ち取ったり!」
戦場に政宗の声が響く。
怖気づいた敵の兵士たちは逃げ始めた。
「追撃するな!撤退!」
無駄に深追いしても、味方の戦力が消耗されるだけだ。
信長様が率いる軍勢は、勝ち鬨を挙げていた。
お腹減ったなあ。
茶々の飯が食いたい。
当時のロシアの王が分からず調べたのですが、確定的な情報は得られませんでした。
ウィキペディアの記事から推測して物語を書いていきますので、ご了承ください。