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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
朝鮮出兵編
150/178

150話 復讐

蘭丸を殺したのは、朝鮮の王・宣祖である事が分かった。

俺は、必ず宣祖を討つ。

その為には、鬼にでも悪にでもなろうと思う。

再び朝鮮に挑む為、俺は茶々と江と共に安土城に入城した。

「長旅、ご苦労であった。さて、まずはどこから手を付けようか。」

と、信長様は自問自答をする。

「江、お前はどうだ?」

あの後、江は自室で泣き止まなかったそうだが、今は落ち着きを取り戻し、天下人の姪としての威厳を傷付けないように振舞っている。

「伯父上。私は、朝鮮に忍びを放ち、宣祖を毒殺するという事を考えているのですが。もちろん、毒見をしてもあまり意味がない遅効性の毒で。朝鮮の民からは、卑怯だと言われるでしょうけど。」

「そうだな。異議はないか?」

「ありません。」

「では、江の意見を採用する。今日の評定はこれで終わりだ。各自、好きにするが良い。」


俺は、悲しい事があると酒を求めるようになる性質なのだろうか。

ひたすら酒を飲み続ける。

「そんなに飲まないでくださいよ。」

得意の裁縫をしながら、茶々は言う。

「酒は体に悪いんですからね。長生きしたいなら、酒は控えてください。」

分かってる、そんな事は。

分かっていて飲んでいるのだ。

「ちょっと、聞いてます?」

「聞いてる。」

「もう飲まないでください。」

茶々は俺から瓢箪をひったくると、中身を全部捨ててしまった。

「ああ~、もったいない。信長様からもらった上等な酒なのに。」

「ほら、喉が渇いたなら、水でも飲めば良いのに。」

ひとりごとのように喋る茶々は、頬を膨らませている。

可愛い、と思って頬に手を伸ばすと、払いのけられた。

「触らないでくれます?」

あれれ?

茶々って意外とツンデレなのかな。

「とにかく、飲まないでくださいね。」

自分の着物を縫い終えると、茶々は俺のひたいに人差し指を突き立て、「めっ。」と言った。



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