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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
朝鮮出兵編
146/178

146話 朝鮮出兵

昨日、織田家から全国の大名に、朝鮮出兵への助力を求める文が送られた。

大滝家も、例外ではない。

信長様は、最低でも1万人程度の軍を率いる事を条件にしている。

となると、莫大な出費を余儀なくされる。

「何を悩んでおられるのです?」

亀甲きっこうの着物を着た茶々が問いかけてくる。

「朝鮮出兵の件は、お前も知っているだろう?」

庭で舞う揚羽蝶あげはちょうを眺めながら、言った。

「ええ。」

「万単位の軍を動かすとなれば、当然金が必要になる。織田家の繁栄はんえいに尽くしたいのは言うまでもないが、金銭的に余裕がなくなるかもしれない。」

「・・・ならば、農民たちにの財産の一部を納めさせてはどうでしょうか?」

「いや、それはダメだ。」

なるべく、農民には負担をかけたくない。

「・・・私に任せてくださいな。」

何か、ひらめいたようだ。

それからしばらくは、茶々は部屋に籠もっていた。

食事も着替えも全部自室でやっていた。

唯一、茶々が姿を見せるのは、かわやに行く時のみだった。

「東様、出来ました!」

茶々が差し出したのは、たくさんの着物だった.

七宝繋ぎに矢絣やがすりひしの柄など、柄は様々だ。

「全部、私の手作りです。これを売れば、ある程度の利益が見込まれます。」

なるほど。

やはり、天下人の姪は裁縫が得意で、側室たちが絶賛していた。

「売るなんて、もったいない!私にください!」

と蘭。

「蘭様、これは朝鮮出兵の軍資金を稼ぐ為に作った物です。欲しいなら、朝鮮出兵が終了した後に。」

「む~。」

蘭が頬を膨らませる。

七宝繋ぎの着物は1000文(10万円)、矢絣の着物は900文(9万円)、菱の着物は3000文(30万円)で売れた。

「これだけですか。」

一生懸命作った着物を売って、その利益が約50万円。

俺は充分だと思うけど、茶々は落ち込んでいる。

「もっと、短期間で稼げる方法はないのでしょうか?」

「地道にやっていくしかない。俺も裁縫はできるから、側室たちや家臣にも手伝わせよう。」

翌日から、側室や家臣団を含む者たちが、自室に籠もって裁縫に集中した。

厠に行く時以外は、絶対に外に出なかった。

足が痺れたりしたけど、朝鮮出兵の為だと思って頑張った。






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