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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
134/178

134話 岡崎城

三河、岡崎城。

秀吉殿に招かれた。

俺と茶々は、天守閣に上がった。

「東殿、茶々様。お久しゅうございます。どうぞ、ごゆっくり。ほれ、茶を持ってこい。」

秀吉殿は濃いめの茶を出してくれた。

旨いし、温かい。

「今回、岡崎城へ招いたのは、もちろん祭りに誘う為で御座います。祭りは明日の早朝から夜中まで。」

なるほど、祭りの時間を長くして、混雑を避けているのか。

名案だ。

「茶を飲み終わったら、岡崎城の見学でもしてはどうでしょうか?家康殿が築城したので、籠城戦にも適しております。」

ああ、あの狸オヤジが住んでた場所か。

呪い殺されそうな気が・・・

いや、呪いなんてない!

・・・はず、だよな?

大丈夫大丈夫、秀吉殿の陽気な笑い声で、狸オヤジの幽霊も復讐なんて忘れてしまうだろう。

「茶々、これ食べてろ。」

「これは?」

茶々は懐紙を開くと、目を輝かせた。

「ま、ま、饅頭!」

「え?饅頭そんなに好きなの?」

「当ったり前!」

まるで子供みたいだな。

「俺は秀吉殿と話したい事があるのでな。」

先ほど部屋を持した秀吉殿は、東屋で昼寝をしていた。

申し訳ないが・・・

俺は秀吉殿の肩を揺すった。

「あっ。ああ、御用件は?」

松姫様と茶々、信長様は俺が現代人である事を知っている。

だが、秀吉殿にはまだ教えていない。

「実は俺、未来から来たんです。」

「・・・そうですか。で、これをどうぞ。」

・・・

ええっ!?

普通、「ありえない!」とか「すごい!」っていうリアクションをとると思っていたのに。

「そうですか。」って、理解するの早過ぎ。

まあ、それは放っておこう。

で、秀吉殿が俺に差し出したのは・・・金平糖こんぺいとうだった。

南蛮なんばん砂糖さとうの菓子にございます。」

あ、大好物のお菓子だ!

現代で好きなお菓子を聞かれて、「金平糖こんぺいとう」と答えると、聞いてきたクラスメートは言った。

「あんなの、ただの砂糖の塊よ。」

分かってねえな、と俺は思う。

砂糖の塊だから好きだって事を理解できないのか?

小瓶こびんふたを開け、金平糖を1つ食べた。

やっぱり、甘い。

「そうだ、木に登って頂けませんか?」

『サル』というあだ名を持つ秀吉殿だから、きっと木登りも上手いのだろう。

「木登りなら得意でございまする。」

そう言うと、秀吉殿は一瞬で木に登った。

「す、すげえー。」

中身までサルだな、おい。

木から降りた秀吉殿は、大声で笑った。

「木登りだけでなく、踊りもできますぞ。」

「では、やってみてください。」

おう!」

秀吉殿は、槍を持って踊り始めた。

人間五十年にんげんごじゅうねん下天げてんの内を~比ぶれば~夢幻ゆめまぼろしの~如くなり~一度ひとたびせいを享け~滅せぬ者のあるべきか~。」

人間にとっての50年は、天の神たちにとっては夢幻と同じくらい短い。

産まれて死なない人間など、この世にはいない。

これは敦盛の舞だ。

信長様も日頃から好んでいるそうで、落ち着かない時はいつも敦盛を踊っているらしい。

「東殿も何か踊りを。」

「えっ!?俺が!?」

俺が好きな踊り、俺が好きな踊り・・・

そうだ、あれしかない!!



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