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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
133/178

133話 科学者の暴走

1583年7月下旬。

奈々と親王が、正式に結婚した。

それに伴い、朝廷から大滝家に扶持ふちが与えられた。

現代ではただの中学生でしかなかったのに、戦国時代にタイムスリップしたら妃になるだなんて、本人も想像していなかっただろう。

俺だって、こんなに出世するとは思わなかった。

でも、喜んでいる暇はない。

戦続きだったから、飢えた民が多くいるのだ。

ならば、蔵で管理している米や味噌を民に分けて、貧困層の民たちを救おうと思う。

「蘭丸、蔵に貯めてある米や味噌を農民たちに配給してやれ。」

「はっ。」

もう戦はしない。

後は穏やかな生活を楽しもう。

一揆が起きた場合は、武力で鎮圧するが、自ら戦をすることはもうやめる。

「申し上げます!加藤亜希子と名乗る者が、殿と話をしたいと申しております。」

加藤亜希子・・・

あっ、近江を中心に広がった病気の原点らしき者か!

「通せ。」

加藤亜希子は現代では有名な科学者だったから、テレビで見たことがある。

「あなたも、私と同じなのね。」

うん、テレビで見た通りの美しさだ。

「あなたは私が、近江を中心に広がった病気の原点だと思っているのね?」

「なぜそれを?」

「少し頭を使えば、それくらい分かるわ。私は、心理学者でもあるの。で、私は病気の原点なんかじゃないわ。」

「本当に?」

右手を挙げた。

すると、蘭丸と政宗と三成が障子を閉め、抜刀した。

「あらまあ、怖い。分かったわ、本当の事を話すわね。私は、ウイルスの研究をしていた。でもある日、何者かによって鈍器で殴られた。気が付けば小屋にいたわ。」

俺と一緒だ。

「実は私、新型のウイルスを生み出す事ができるのよ。だから、旅先の近江で新型のウイルスを生み出して、周りの人を感染させていったわ。」

「そうか。」

こいつは、生かしておいても何の得にもならないが、害にはなる。

今ここで息の根を・・・

「蘭丸、やれ!」

「はっ。」

蘭丸は亜希子に近づくと、刀を振り下ろした。

「御免!」

返り血を浴びた蘭丸は、懐紙で刀に付いた血を拭き取った。

「殿、この女はどう始末しますか?」

「適当な場所に葬っておけ。葬儀など悪女には必要ないしな。」

科学者は怖い。

好奇心が強すぎる。

現代でも、犯罪を犯して研究を行う科学者も大勢いた。

別に好奇心がありすぎるのを批判している訳ではないのだが、その好奇心が制御できない事を批判しているのだ。

さて、そろそろお腹減ったしご飯を・・・

ん?

俺って完璧に戦国武将になっちゃったよな?

初めて人を斬った後はご飯も食べれなかったし、全然眠れなかったのに。

完璧なる戦国武将にはならないと決めていたが、もうやめた。

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