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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
132/178

132話 爆破計画失敗

「煕子殿が人質になりたいと?」

信長は聞き返した。

「はい。そう申しております。入城し、人質とする事を認めますか?」

「ああ、認める。」

「かしこまりました。」

信長は、煕子の罠にはまったのだ。

「それと、茶々を呼べ。」

「茶々様、ですか?なにゆえ?」

「あいつは、人の心を読む事ができるのだ。」

「そんな事ができるのですか?」

「ああ。あれは、浅井家を滅ぼしてから間もない時の事だった。」

信長は、語り始めた。


父・長政を失った茶々は、抜け殻のようなだった。

なので、信長はおとぎ話を聞かせてあげようと茶々を尋ねた。

「伯父上、何の用ですか?」

追い返されると思ったが、茶々は出迎えてくれた。

「そなたに、おとぎ話を聞かせてあげようと思ってな。」

「・・・絶対に噓ですよね?自分が嫌われていないか確かめようとしているだけでしょう?」

図星だ。

「なぜ、分かる?」

「私は、人の心が読めるのです。呼吸が乱れていたり、目が細かく揺れ動いているのであれば、噓をついているという事になります。」



その時から、信長は茶々を信頼するようになったのだ。



◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 俺視点 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆


「信長様から呼び出し?」

「はい。茶々様もご一緒にとの事だそうです。」

「分かった。」

翌日、俺と茶々は安土城に登城した。

「よく来たな。今回、呼び出したのは、光秀の妻・煕子殿が人質になりたいと申し出てきたのだ。何か企んでいないか、確認してほしい。茶々、そなたは人の心を読む事ができるのだろう?」

え、そうなの?

聞いてないんですけど。

「はい。やらせていただきます。」

茶々は、煕子殿の部屋へ向かった。


◆◆◆◆ ◆◆◆◆ 茶々視点 ◆◆◆◆ ◆◆◆◆

この人が煕子ね。

さて、呼吸は・・・正常。

でも、目が細かく揺れ動いているし、手が震えている。

ん?

何だろう、この赤い袋は?

「この袋は何ですか?」

「荷物を入れています。」

声が震えている。

もしや!

袋を縛っている紐をほどくと、何かがこぼれた。

「これは・・・火薬!」

私が叫ぶと、伯父上の小姓が入ってきて、煕子を縄で縛った。

「やはり、何かを企んでいたか。」

怒りに満ちた声で、伯父上が言った。 

「逆さにして磔だ!」

当然の処置だろう。

安土城を爆破する計画を練っていたのだから。

4日後、明智の残党狩りを命じられていた者から、光秀の娘と息子を見つけたという知らせが入って来た。

場所は、紀伊。

意外と近かった。

最初は中国地方に居ると聞いたから、居場所を転々としていたのだろう。

3人の男と4人の娘が安土城に連行された2日後、煕子を含めた8人が磔にされた。

伯父上は煕子を殺すつもりではなかったのに、馬鹿な女だ。



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