129話 楯突く者の末路
グロテスクな表現をしています。
おやつを食べながら読むのは控えた方がいいと思います。
グロテスクな表現が嫌いな方も、過去に投稿されたお話を読んで我慢してください。
やはり、信長様は魔王だった。
伊勢長島一向一揆で3万人、老若男女問わず、鉄砲で撃ち殺した信長様。
未だにそれは理解できない。
聞いてみよう。
「信長様。なぜ、伊勢長島一向一揆では、降伏した者たちを殺したのですか?」
「馬鹿にしたからだ。」
「誰を?」
「我が妹・市だ。」
ああ、お市様か。
・・・て、ええ!?
何でお市様が!?
美人だし、とっても気の利く人なのに。
「小谷城が落城してから間もない時の事だ。市は我が弟・信包の世話になっており、信包も『市も茶々たちも元気だ』と報告してきた。わしは安心して、伊勢長島一向一揆の討伐に集中した。しかし、伊勢長島が降伏し、わしが長島城に入城すると、『信長の妹・市は政略の駒として使えない役立たずだ』という文を見つけた。だから全員殺したのだ。」
そうなのか。
理不尽に命を奪っていると思ったが、お市様を大切に思っていたのが理由だったのか。
信長様と会った事が無い人が、信長様の行いを批判したりするのはおかしい。
本人に会って理由も聞かずに、自分が思うままに、信長様を極悪な人間として描くのだ。
「では、お聞きします。比叡山の延暦寺を焼き討ちにしたというのは本当ですか?」
「・・・現代の人々は馬鹿か?延暦寺の座主を務めるのは、正親町天皇の弟ぞ。わしも、さすがに朝廷を敵にしてしまうほど魔王ではない。」
「では、老若男女問わず3000人余りを殺したというのは?」
「フッ、どうせ誰かが書いた書物を疑いもせずに鵜呑みにしただけだろう。3000人も殺したのならば、延暦寺の周りの土を掘れば1つくらい頭蓋骨が見つかってもおかしくないではないか。わしは現代を知らぬ。東、頭蓋骨は1つでも発見されたのか?」
首を横に振った。
「だろうな。わしは、脅しとして、延暦寺の根本中堂に放火しただけだ。」
歴史は、後世の学者たちの証言によって創られるんだなあ。
明智光秀の「敵は本能寺にあり!」も、夢を壊すようであまり言いたくないのだが、後世の学者による創作だ。
「敵は本能寺にあり!」という台詞は、明智軍記という書物に書かれた物だ。
著者は不明だが、これは江戸時代中期に書かれた物であり、信憑性はかなり低い。
で、信長様が魔王と思ったのは、処刑方法を変更したからだ。
①指を切断する
②鼻と耳を削ぐ
③安土城の城門の柱に縛り付ける
④磔にする
⑤首は六条河原と三条河原で1ヵ月晒す
グロテスクだ。
これが、織田家に楯突く者の末路だ、という事を示したいのだろう。
翌日、元親と信親の指を全て切断し、鼻と耳を削ぎ、城門の柱に縛り付けた。
3日が経過し、元親と信親を磔にした。
「東、これで戦乱の世は終わった、。しかし、油断するなよ。敵は、すぐ側に潜んでいるかもしれぬからな。」
本能寺で光秀に討たれそうになった信長様だから言えるのだろう。
「分かりました。」
俺は、元親と信親の首が晒されたのを見届け、高遠へ帰った。
これからはグロテスクな表現はなるべく致しませんので、何卒ブックマーク解除だけは勘弁してください。後、感想も書いて下さいね。皆さんの意見が頼りなんですから。