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我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
124/178

124話 希少性

「申し上げます!長宗親家は、大軍を率いて御所に攻め入らんとしています!」

「そうか!今すぐ評定を開くぞ!」

帝には悪いが、これは長宗親家に攻め入る口実にもなる。

長宗親家は、自らの野望によって滅びるのだ。

自業自得。

「これより、評定を始める。」

蘭丸が言う。

「今回、皆を集めたのは、長宗親家が御所に攻め入る件について、だ。御所には我が妹・奈々がいる。皆も知っていいるだろうが、奈々は親王と婚約した。長宗親家が逃がすはずがないだろう。その為、我らは信長様と共に長宗親家と戦う。戦支度だ!」

「はっ!」

5万の兵を率いて出陣だ。

兵糧は信長様にねだるのではなく、自力で集める。

それと、民に申し訳ないが、1つの家につき、5合差し出してもらう。

長宗親家との戦が終わったら、しばらくは税を免除してあげよう。

10日後、戦支度が整った。

かなり大きな出費だったが、奈々の命には代えられない。

・・・てか、奈々ってロケットランチャー作れるんだから、1人で戦っても大丈夫だと思うんだけどな。

まあ、多勢に無勢だ。

助けてやろう。

「出陣!」

俺の声に、足軽たちも呼応した。

一応、正室の茶々も出陣する。

「戦なら、お任せください。」

これほど男前な姫はいないだろう。

甲冑姿の茶々も、可愛い。

民は、茶々の凛々しい姿にうっとりしていた。

男は、鼻息を荒くしている。

「なぜ皆は私をじろじろと見ているのですか?」

「そりゃあ、美しいからだよ。」

「そんなに美しいですかねえ。」

「何言ってんの、美しいよ。」

茶々は自覚が無いようだ。


俺たち一行は、午後に美濃の国境を越え、信忠様に出陣をお願いした。

「恩人の願いを、断る訳にはいきません。それに、御所に刃を向けるなど許せるはずがありませんからね。」

正義感の強い信忠様は、協力すると言ってくれた。

5万の軍勢に3万の軍勢が加わり、8万の軍勢になった。

次は、サルでお馴染みの秀吉殿に援軍を要請だ。

夜になると、秀吉殿が治める遠江の国境を越えた。

体内時計から推測すると、午後7時だろう。

お腹が空いているのも仕方がない。

秀吉殿が戦支度をしている間に弁当を食べた。

「東殿、出陣の用意が整ったべ!」

秀吉殿の2万の軍勢が加わり、兵の数は10万になった。

その後も、初対面の柴田殿や、利家殿や、信長様などの軍勢を合わせて、25万もの軍勢になった。

「申し上げます!長宗親家の軍勢は、全ての部隊を合わせて24万!」

「くそ!たったの1万の差か!」

もう少し、差をつけたかった。

「東、焦るな。戦は数ではない、ここだ。」

そう言って、信長様は自分のこめかみを指差した。

「俺は信長様と違って、戦なんて上手くありません!」

「わしと違うから良いのではないか。」

「え?」

みんなちがってみんないいという言葉を知らなかった訳ではない。

そんなのは綺麗事だと思っていた。

「誰がどこにでもいそうな奴を欲しがるのだ?希少性があるからこそ価値があるのだ。」

確かに、信長様の家臣団は個性豊かな武将たちでいっぱいだ。

「そなたにも誰も持っていないような能力があるはずだ。目覚めていないだけで。」

俺は目を閉じ、黙って考えた。

全ての部隊を合わせて24万・・・全ての部隊・・・全て・・・

「そうか!全ての部隊の兵の数が多いだけで、本陣はそれほど多くないはず!」

桶狭間でも、信長様は本陣のみを攻撃したから勝てた。

その名案を、採用させてもらおう。



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