12話 祝言
「で、そなたは茶々と祝言をあげるのか?」
「茶々は信長様の姪ですし、許可をいただきたいのですが。」
「かまわぬ。が、茶々を大切にしてくれ。」
「はい。もちのろんです。」
「もちのろん・・・ふははは。貴様らしいな。もちろんのことだな。」
「はい。」
「祝言は明日じゃ。」
祝言は茶々が俺の持っている杯に日本酒を注ぐことで始まった。
ん?
今俺十六歳。完璧なる未成年。
どうしよう。未成年でお酒だ。でもここは天正10年6月15日斎藤利三の屋敷。令和では無い。
ゴクゴク。
飲んでいるのは日本酒。そして日本酒を飲みきると同時におそってくる罪悪感。大丈夫。ここは天正10年6月15日斎藤利三の屋敷。令和では無い。
次はシンプルなご飯が運ばれてきた。大丈夫。俺がそうするよう命令したから。
「東様。私、もっと未来の話、聞きたいです。」
「もちろん、良いぞ。そなたは俺の正室だからな。困った事があれば何でも言え。」
「では、早速。どのような仕事をすれば良いのか分かりません。」
「やっぱり子供を産むこと。あ、無理して産もうとかそういうのダメだからね。絶対に。そういうのきらいだから。」
「はい。」
「他には、料理を作る事。俺の時代の料理をできるだけ忠実に復元していきたいから。作り方はもちろん指導する。」
「はい。」
「それと、秘書の役割、かな?異国からの手紙を読み上げたり、使者になってもらったり。ああ、もちろん敵対してる国に行かせる時には大型の船と守備を用意する。」
「はい。心得ました。」
こうして、茶々は俺の正室になった。