表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我らは信長家臣団  作者: 大和屋
天下統一編
117/178

117話 正室と側室

四国攻めは、大人数であたる。

最大で6万人までだ。

兵糧は信長様と交渉して、ある程度織田家から分けてもらうつもりだ。

戦となれば、足軽たちの腕を磨かなければいけないので、いつもよりハードな練習をさせた。

俺も、庭で流鏑馬やぶさめをしてみたり、日本刀でスイカ割りをしてみたり・・・

でも、日本刀でスイカ割りとか、日本刀のファンの人からしたらイラッとくるだろうなあ。

で、ここでビッグニュース。

茶々推しにはたまらないニュースだよ。

何と、茶々が帰ってきたーっ!

一応、謹慎を命じてはいるけれど、時々一緒に遊んだりする。

「茶々ーっ。あーそーぼー。」

「はい。」

茶々は家出する前からおとなしい性格だったから、謹慎していても特に変化は見られなかった。

「今日は枕草子を読んで思った事を話し合いましょうよ。」

「いいぜ。」

枕草子を読み始めた。

「ふむふむ。作者の清少納言は、変わった事を好むのですね。」

「今で言う傾奇者かぶきものだな。」

読み進めていくと、気になる文章が見つかった。

「清少納言は、紫式部の夫の悪口を書いている。日頃から、息をするように愚痴を言っているのかもしれないな。」

「東様、あまり清少納言の事を悪く言わないでくださいまし。清少納言は、皆が藤原道長のご機嫌取りをする中で、最後まで主君の定子を裏切りませんでしたもの。きっと、根は良い人なのですよ。」

「まあ、それもそうだな。」

しばらくすると、俺が茶々と遊んでいるのを妬んだ側室たちが文句を言いに来た。

「茶々様ばかりずるいです。」

小松が愚痴る。

「小松様。私は正室であり、東様の長女・勝の生母ですので。」

「むう~。」

仕方ないから、俺の正室側室全員で遊ぶ事にした。

正室は1人しか認められない、姫が憧れる最高の立場だ。

少しくらい、いばったって良いのでは?

「ほら、東様も少しは茶々様を注意してくださいまし。私たちだって東様の妻ですからね。」

「そうですよ。」

星の意見に、菊も同情した。

「そうは言われても、正室は1人しか認められない特権だぞ。俺の側室なら正室を敬わないと・・・」

「関係ありませぬ!そんなの早いもん勝ちではありませんか!」

言われてみれば、確かに。

「では、小松殿。東様の正室側室に、位を付けてはどうですか?」

「位?」

「ええ。私は正室なので、『一の御前ごぜん』とでも名乗りましょうか。」

「なぜそのような名前を?」

「1人しか認められない立場なので、『一』の御前なのですよ。」

ネーミングセンス、どうなのかな?

独特なだけだよね、うん、多分。

「じゃあ私は・・・小松の松を取って『松の御前』。」

「では、私は『空の御前』。星は空を見上げなければ見えませんからね。」

「『甲斐の御前』で。父上は甲斐の領主ですので。」

「『二の御前』で。私は二番目に東様の妻になったのが理由です。」

結局、自分に由来する言葉に『御前』を付けただけじゃん。

苦笑いすると、小松が言った。

「何か文句が?」

そんな事聞かれても、文句を言わせんとばかりに小松が睨んでくるのだから、答えられない。

「な、何でも・・・」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ