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洞穴

発狂メカニズム version 0.1

作者: 吉戒 湖業





暗闇から私は立ち上がる。



壊れかけた体をぶら下げて、心は灰色のままで。



失った四肢が痛むように、過去が私を苛み続ける。



口から出かけた四文字を飲み込んで、微笑を湛えて涙を流す。



軋む音に耳を塞いで、霞む目蓋に別れを告げて。



私は大丈夫、呪詛のように呟き続けて。





闇夜に私は走り出す。



潰れた信念を掲げて、魂はバラバラのまま。



奪われた我が子を惜しむように、過去を私は叫び続ける。



吐き出しそうな心を飲み込んで、微笑を湛えて言葉を紡ぐ。



引き裂かれる痛みに耐えて、濡れる瞳を塗り潰して。



私は生きてる、確かめるように呟き続けて。





光が私を拒み続ける、お前に居場所はないと。



痛みも苦しみも全て課せられた罰だと。



目の前の地獄は当たり前で、それが当然だと。



私は震える体を引き摺って、正者の福音に耳を澄ます。



拒みたくなる衝動を縛り付けて、乾いた睚を飾り付けて。





迫る闇に私は跪く。



壊れた笑顔のままで、割れた心のままで。



もうすべてどうでもいい。



眼に無を嵌め込んで、口には清い拳銃を。



軋む音はもう聞こえない。



さよならを言いかけて、私は息を吸う。



古い傷を撫でて、滴る記憶を掬って。



ありがとう、消え入るように感謝を告げて。













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