6.奴隷に朝這いされた日。(新婚生活8日目)
最愛の奴隷妻に首輪と紐を贈った翌日、「8日目」の朝。
俺は奴隷ちゃんから「夜這い」ならぬ「朝這い」を受けていた――
◇ ◇ ◇
何かを感じてわたしは目を覚ました――
その瞬間、鼻腔にあいつのいい匂いがふわっと香る。次いで、あいつの手足が優しく舐める様にわたしの身体へ絡みつく。その肌触りと温もりに、ぞくぞくっと痙攣が走る。んあぁ気持ちいぃ……。
ああ、どうやら寝惚けた「ご主人様」が寝返りしながら抱き締めてきたみたいだ。
ったく、寝ている人間の腕はけっこう重いんだぞ……。だからあれだな、こいつの腕に頬をすり寄せたり、ちょっと舌で舐めたりしても当然の労働対価だな、うん。
「あ~あぁ、また目が覚めちまったなぁ……」
どうにも「盗賊」だった頃に修得した『感知スキル』は感度が良すぎるなぁ……。こいつの寝返りひとつで毎回起きてちゃろくに寝れないぜ。(夜の営みも敏感過ぎてやばいしな……//)
ふと、夫婦のしとねに籠る匂いをこっそり嗅いで……こいつの匂いだけでなく、昨晩の残り香がたっぷりあるのに気づいて、顔がポッと火照るのを感じた。昨日すごかったからな……っ//
この「ご主人様」は変なやろうだ(そして変態やろうだ)。
元「盗賊」である「奴隷」を対等に扱うだけでなく、最愛の「新妻」として愛情を注いでくれる。では純朴かと言えば、街の娼婦もびっくりする様な寝技を知っている。(誰に教わったんだよ…と最初は少しイヤな気持ちになったが、知ってるだけで実践経験が無いとわかると少しホッとした。べ、別に嫉妬じゃねーぞ。わたしだけ初心者じゃ不公平だろ、いいんだよ下手くそ(DT)で上等だバカ…っ//)
あと、こいつの考案した「メイド服」もエッチだ。
袖無服・裾短袴の「盗賊服」より素肌の露出も少なく、可愛らしくて実は結構気に入っているんだが……異性の欲情を煽る淫靡な効果もあるっぽいな。紳士に振舞おうと目を泳がせる様子はちょっと可愛いが、ちらちらと胸元や太ももに見惚れてるの知ってるぞ? 男の視線は分かりやすいからなぁ……まあ、たまに家事をしている背後から舐める様に見られてる時は放置してやってるけど。べ、別に興奮してるわけじゃねーぞっ!
「……あ、たれる」
あそこに指で触れるとぬるっと濡れる。
こいつの昨夜のあれ……じゃないよな。あれはちょっと時間が経つとカピカピに乾燥するし。と言うことは、このぬるぬるはわたしのか……っ//
うう、以前はこんなに濡れなかったよなぁ……//
こいつと同棲生活を始めてから体質が変わった気がするぜ……まあ昔のわたしは苛立ち(イライラ)を発散する為の自慰ぐらいしか経験なかったから当然かもしれんが。
「…むにゃ…奴隷ちゃんむぎゅうぅ…むにゃ…zzZ」
「あ、もうこいつ…寝惚けて抱き寄せるなって……うわ熱っ//」
ちょっ、こいつ、あれがっ…手に触れて…わっ、あ…おぉ…凄ぇ…そ、そういや、しっかり見るのも触るのも…初めてだな…うわ凄ぇ…これ血管かよ…うぉ…どくんどくんと脈打ってる…すげ熱い…何か…心臓がふたつあるみたいだ……//
それに触れる指先から鼓動が伝わり、そのまま全身へ熱が伝播していく様に火照る。どうしてだろうな……凄ぇ感動してる自分がいる。生命の神秘とか鼓動とか、そんなものに触れたような、感じたような、不思議な気持ちだ――
「こいつ寝てんのに…そっか、これが朝勃ちってやつか…マジで凄ぇ……//」
こいつのものを優しく指先でなぞっていく。
わたしが想像していたのと全然違う。色は濃ゆく、ごつごつと逞しく、妬ける様に熱い。
ふたりの寝床に籠る色香が濃ゆくなり、鼻息が荒くなるのを抑えられない。わたしを抱き締める腕が少し緩み、あいつの胸元が晒された瞬間――あいつのものに自分の下腹部を摺り寄せながらわたしは抱きついた。
「…う…んぅ…凄ぃ…熱っ…わ、先っちょ…へその下ま、で…いつも…こんな奥までくるのか…ぁ…//」
ここまで異性の身体をじっくり観察して、理解を深めたのは初めてだ。
今までは、求めるのが女として恥ずかしかったり、少し怖かったりしたのかもしれない。
それが不思議と異性の身体を知れば知るほど……より愛情が深まった様に感じる。
理由は分からない。ただ実感としてそう思うのだ。
わたしは、その、あれだ……ご主人様が好きだからな……。
「おいこら、起きろっ、ご主人様っ」
「…むにゃ…んぅ…わっ、朝から可愛いけど…どうしたの奴隷ちゃん?」
あいつが寝惚け顔で抱き締めてくるのを引っぺがすと、わたしの臀部で異性のものを包み込む様に擦り寄せながら馬乗り状態になる。「奴隷」の愛の下で「ご主人様」の愛がびくんびくんと脈動するのを感じる。あぁ…これやばいな…っ//
「ご主人様のせいで…こんなになっちまったぞ…責任取れよなっ//」
◇ ◇ ◇
最愛の奴隷妻に首輪と紐を贈った翌日、「8日目」のそろそろ昼前――
俺は奴隷ちゃんから「夜這い」ならぬ「朝這い」を受け終わった。
今朝の奴隷ちゃんは積極的で、愛らしくも艶めかしく、いいようにされてしまった……。
俺は奴隷ちゃんの事をたっぷり知ったつもりだったが、実は全然そんな事は無く……逆に俺の事をたっぷりと奴隷ちゃんに知られてしまった様だ。
ああ、心地良い。
ここまで愛され、知り尽くされる俺はきっととても幸せ者だ。
しかし、何かあったんだろうか……。
俺の胸元で、すよすよと寝息をたてる奴隷ちゃんを眺めながら、俺は優しく抱き締めなおした――
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<かなり更新が遅くなってしまい、申し訳ございませんでした>
<少し仕事が落ち着いてきたので、投稿を再開したいと思います。
とりあえず、今回はリハビリ兼ねて小作品をお届けです>
<次回こそ、奴隷ちゃんと「女の子の日」の話……かな?笑>