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歴女作家 坂本龍馬子の奇妙な犯科録  作者: 横造正史
第四章
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昼食、軍議、そして決戦へ!  弐

 各所で歓談も色々だった。


 私のチームのキャスバル田中は途中、竹中重門役の清楚そうな女性や、有楽斎役の女性、京極高知役の女性の近くに席を移動して色々と話しかけていた。


 対面に座るローマンも女性陣に積極的に話しかけている。


「ナア、オ前ハ、ハーフナノカ? キャスバル? ドイツ出身ナノカ?」


 ふとローマンがキャスバルに問い掛ける。


 当然奴はハーフでもドイツ出身などではないだろう。一応イケメンだが和人の顔だ。


「フッ、違うな、俺はサイド3出身だ」


「違ウノカ? ナゼ、ブロンド、ナノダ?」


「フフフ、キャスバルだからさ」


「キャスバル? ユウハ、コーカソイド、ナノカ?」


「いや、モンゴロイドさ!」


「……イエス、イエス、オーライ、ユウハ、フェイクナンダネ……」


 キャスバル田中は指を時計の針のように立てチッチッチッと左右に動かす。


「フッ、フェイクではある。が、しかし、コーカソイドなどのフェイクではない! 俺はキャスバルのフェイクなのさ、あはははははははは」


 何だか自身満々だ。


「ヨクワカラネエヨ……」


 はたまたモニカの胸を凝視している兼加藤の隣には福島正則が座っていた。少し前に対戦した二人だ。


「のう兼加藤よ、佐吉の奴が憎い、という理由から関ヶ原合戦では内府側に付いてしまったが、今にして思えばあれは間違いだったのだろうかのう?」


 役どころだから本物ではないのに正則は言及する。手にはローストビーフ寿司が持たれていた。


「豊臣氏は滅ぼされ、秀頼様も殺されてしまった。そして、清正も儂の家も改易されてしまった。それぞれ五十万石程の石高があったのに……。佐吉の云うように内府殿を抑え込み豊臣政権が安定させることをして、その後に佐吉を亡き者にしても良かったのではあるまいか?」


 正則はふうと息を吐く。


「儂も城の修理で難癖付けられて所領を没収され、清正も家康に毒饅頭を食わされて命を落とし、その後加藤家も改易されてしまった。儂らの判断は間違って…… おい、聞いておるのか?」


「えっ、茶饅頭が二つとな?」


 その茶饅頭はモニカの胸に付いてるやつだろ!


「違っ! ど、毒饅頭じゃ!」


「お、おお、そうじゃ、我らは急ぎ過ぎたと思う。佐吉暗殺も慌てる必要はなかった。秀頼様が大きくなられてからで良かったのじゃ、しかし、もう今更じゃ、それより……」


 兼加藤はモニカに胸に視線を送る。


「茶饅頭を堪能しようではないか」


 兼加藤の視線に気が付いた正則もモニカの胸を見る。


「おおおっ、た、確かに絶品じゃな、これは凄い……」


「動くと揺れて余計凄い、やばいのじゃ」


「う、うむう……」


 その後二人は何か話をしているようだが、ちらちらモニカの胸にイヤらしい視線を向けていた。


 私の近くではサラダを食しながら輝美が横のエレナに声を掛けていた。


「ねえ、因みになんだけど、第二会戦はさあ、どうして私達を相手に選んだの? 他にも石田軍と毛利軍がいた訳じゃない?」


「ソレハ、藤堂ガ、石田軍ハ避ケタ方ガ良イッテ、忠告シテクレタカラ…… 石田軍ハ、ウザイ、カラ後ニシタ方ガイイッテ。ソシテ、毛利ヲ選ブト最終戦ガ厳シイヨト云ワレテ……」


 エレナは藤堂高虎に視線を送る。


「へえ~、知ってるのね」


 輝美はにやりと笑う。


「ねえ、高虎さん。あの石田軍と戦ったことがあるの?」


 輝美は高虎役に声を掛ける。


「ああ、一昨年にな。散々野次を飛ばされて不快な思いをした…… そして負けた」


 凄くイヤそうに高虎は云う。


「そして、負けた後は傘下になったのだが、石田三成役の奴から奴隷のような酷い扱いを受けた」


「あらあら」


「あいつは、史実の東軍の奴らや、日和見の奴ら、裏切った奴らに対しての対応が酷い。吉川の所為で西軍が負けたとか、金吾許さんぞ! とか、兎に角不快で凄く疲れたのだ」


 藤堂はふうと大きく息を吐いた。


「僕も去年散々怒鳴られたんだよ。大名同士の婚姻をして、決め事を破ったとかさ……」


 二人の会話を横で聞いていた山科もその通りだとばかり話しに割り込んでうんうん頷く。


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