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歴女作家 坂本龍馬子の奇妙な犯科録  作者: 横造正史
第四章
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性器切断殺人 漆

 朝から事件が発覚したり、皆を集めたり、遺体を運び出したり、外周を確認したりを続けたのもあり、気が付くと時間は夕方になっていた。


「道鏡さんも部屋に戻っちゃったし、どうしましょうか?」


 改まって阿国が皆に問い掛ける。


「そうですね、雪が止むまでは特に出来なそうですし、あたしも部屋で待機していますよ」


 安部定美が言及する。


「それでしたら、私も部屋に戻ろうかしら…… でも、食事はどうしようかしらね、魚を摂りに行けないし……」


 松子は眉尻を下げ困り顔を作る。


「ま、松子さん! 僕らは食材を沢山持ってきています、安心してください」


 中岡編集は積極的に松子に声を掛ける。


「あっ、あの和え物ですか……」


「いえ、他に納豆なんかも豊富にありますよ!」


「納豆……」


 松子は表情を曇らせる。納豆は好きではないのかもしれない。


「それと、一人で居るのは危ないです。僕も一緒にいましょうか?」


 熱い眼差しで中岡編集が訴える。


「……ふ~ん、それじゃあ、あたしも一人じゃ危ないかしらね?」


 定美がちらりと横目で中岡編集を見ながら声を掛ける。


「えっ、いや、貴方なら、鍵をしっかり掛ければ平気じゃないかな……」


「あら、松子さんと、あたしの時じゃ対応が違いますね?」


 定美は業とらしく指摘する。


「あっ、いやね、松子さんは細いし……」


 普通そうに見えるし、健康的だと思われるが……。


「貴方はがっちりしていますし……」


 がっちり? 小太りの体形の事だろうか?


「だから、僕は松子さんが心配になって……」


 色々と言い訳がましい説明だ。


「はいはい、解りました。あたしはがっちりしているから平気なんですね。一人で部屋に籠っています……」


「恐れ入りますが……」


 何が恐れ入りますがだよ。


「まあ、皆さん、こんな非常事態ですから、建物内の食材は提供します。私に声を掛けて下さいね」


 阿国が皆に声を掛ける。


「そ、それは助かりますわ、因みにお魚とかはありますか?」


 松子が質問する。どうやら魚が好きらしい。なめろうと納豆には興味はないようだ。


「干物はありますけど……」


「それ、私も食べて平気ですか?」


 かなり積極的だぞ。


「提供しますけど、皆で分けて食べましょうね」


「はい!」


 松子は喜色を浮かべる。


「それと、中岡さんのお気持ちは嬉しいですが、私は一人で大丈夫です」


「えっ、そうなのですか?」


「はい……」


 そんなこんなで、阿国、阿国母は湯治場の運営管理に戻り、道鏡、松子、定美は各々自室へと籠った。


 残された我々も二人で部屋へと戻る。新たに宛がわれた本館二階の丑と寅の部屋へ入り込む。


 炬燵に足を差し入れ少し落ち着いた所で、


「しかしながら、何だって殺人事件や、性器切断みたいな変な事が起こったのだろう?」


 中岡編集は首を傾げながら聞いてくる。


「殺人事件と性器切断がセットなのか別なのか、その辺りも解りませんしね……」


「因みに君はどう思うんだ?」


 中岡編集が改めて質問してきた。


「さ、さあ、情報が無さ過ぎて良く解りませんよ、只、文覚さん殺しは、若しかしたら道鏡さんが犯人かもしれないとは思っていましたが……」


「まあ、関係が深い分、その可能性は高くなるな…… 他の人たちに関しては赤の他人に近いしな…… 朝風呂中に蛭子と淡嶋と喧嘩になったとかが無い限り考えにくいし……」


「あの、風呂で初対面の人同士が喧嘩になったりしますか?」


 私は疑問を呈する。


「いや、殆どそんな事は起こらないが、例えば、俺の方がデカいとか、お前のは小さいとかで口論になって…… こいつ気に入らないから殺っちまえ! みたいな流れから、殺人事件に発展。こいつの男根もムカつくから切っちまえ! みたいな展開に……」


「ほう、中々想像力が豊かですね。そう聞くとありそうな気がしますね。そんな展開になりそうな巨大な男根も飾られていますし……」


「僕が自信を失った位だからね」


「いやいや、僕は愚かにも神様に張り合おうとした為に自滅しただけです」


「…………」


 中岡編集は不服そうに私を見る。そんな事を意に介さず私は顎に手を添える。


「とすると、中岡さんは蛭子、淡嶋犯人説と云う事ですか?」


「いやいや、万が一風呂場で喧嘩になった想定の話だよ。僕としてはもっと根が深いものがあるように感じてならないがね……」


「確かにですね」


 私は頷く。

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