お嬢様がフェルマーの最終定理でロミジュリを始めてしまった単元
「今日は、フェルマーの最終定理についてちょっとだけ学びましょう。
フェルマーの最終定理とは、n エックス ワイ、ゼット すべてを自然数としたときに、
nが3以上の場合
ゼットのn乗 = エックスのn乗 + ワイのn乗
を満たすエックス、ワイ、ゼットが存在しないというものです。
ちなみにnが2の時は
ゼットの2乗 = エックスの2乗 + ワイの2乗
これを満たすエックス、ワイ、ゼットが存在することは、ピタゴラスの定理でもおなじみですね」
「先生、2乗って、自乗だよね」
「そうですよ、よくご存じでしたね、お嬢様」
☆ここからお嬢様の妄想開始☆
「ジュリエット、君にも君の事情があることは理解している、けれど、僕は君のことを愛しているんだ」
「ロミオ、あなたの愛はわかっているわ。そして私もあなたを愛している。でも、私たちはそれぞれ事情を持つ身。答えを得ることはできないわ」
「そんなことはない、きっと答えは見つかるはずだ!」
「おおロミオ!」
「おおジュリエット!」
「2人で答えを探しに旅に出かけよう!」
「そうね、きっと2人を結ぶ答えがあるはずだわ!」
☆ここでお嬢様の妄想終了☆
未来の事情 = ロミオの事情 + ジュリエットの事情
「素晴らしいわ。でも、3乗以上の場合は、ゼットが存在しないというのがフェルマーの最終定理よね」
「あくまでもエックス、ワイ、ゼットが自然数の場合ですけどね」
「つまり、ロミオの惨状 + ジュリエットの惨状 を満たす、未来の惨状はないってことね」
未来の惨状 ≠ ロミオの惨状 + ジュリエットの惨状
「あれ? 未来の惨状がないということは、惨状じゃない未来ならあるってこと?」
「あるかもしれませんよ。ただ、それだとせっかくの言葉遊びが台無しですね」
「ということは、やっぱりロミオとジュリエットの間に未来はないということにするしかないのね。ああ、可愛そうな2人。いや、ちょっと待って、4乗 つまり 私情 ならどうかしら」
「きりがないのでこの辺でお昼にしましょう」
こうして今日も無駄なのか有益なのかわからない時間を2人は過ごす。