只今、修行中
~修行5日目~
「やっと着いた」
地獄・・・。
まさにこのひと言に当てはまるであろう修行が始まって、速いものでもう5日。
俺はようやく初めの修行場所にたどりついた。5日もかかるような遠い場所なわけではない。場所は初日についたこの家の1階だ。そして、初めの1カ月での修行は『家の掃除』だ。
もちろん普通の状態でなら修行にはならないし、移動に5日もかからない。ではなぜそれが修行になるのか?移動にこんなにも時間がいるのか?その原因は初日に渡された青ジャージにある。
このジャージは師匠のお手製らしく、全身に負荷をかけてくれるのだ。簡単にいうと全身に重りを付けている感じなんだが、その重りがヤバい。何と言ったって、ジャージに着替えてすぐには指1本動かせなっかったぐらいだ。また、不思議な事に倒れる事にも負荷がかかるという仕様になっいたため、俺は立ったまま寝るという特技を身に付けた。そして最も質が悪いのは、設定されてる負荷に体が馴染み動かせないように、有る程度動けるようになると自動で負荷を上げてくれるのだ。
おかげで、飯も満足に食えず今は流動食みたいのを1日1回のむくらいだ。
とにかく愚痴っててもしょうがないので、掃除を開始する事にする。
~修行35日目~
やった、ついに俺はやったのだ。初めの修行である掃除を終えて、今日師匠のもとに帰ってきたのだ。
俺をさんざん苦しめたジャージの負荷も5日くらい前から自動で上がらず、今ではジャージを着たままゆっくりではあるが普通に動けるようになった。
そして、今日は体を休める日と言う事で1日寝てていいのだ。ああ、こんなにも寝るという行為は贅沢なんだ。しあわせだなぁ~。明日からは〔気〕の習得とスキルのレベルアップらしい・・。
何かやることが増えてるけど、今はそんなことはどうでもいいや。寝よ寝よ。
~修行36日目~
「いよいよ今日から〔気〕の練習だね。初めに〔気〕について説明をするよ。この世界でこれから教える〔気〕は2種類あるんだ。1つ目は体の中にある気。これを『内気』というんだけど、これは魔力と同じで個人差が有るけど、量を増やす事はできないんだ。そして使って量がへると、体がだるくなるから気をつけてね。2つ目は体の外、自然に存在する気。これを『外気』というんだよ。これは内気と違って使いすぎても体に異常はないんだけど、気の集まりやすい場所とそうじゃない場所があるんだ。どういうところが集まりやすいかというと、自然が豊かな所だね。簡単に言えば町の中とかでは集まりずらいけど、モンスターのいる外では集まりやすいね。あと、正直慣れるまでは内気のほうが、外気より扱いやすかったりするよ。だから、修行ではまず内気で感覚をつかんで、その後で外気の扱いを練習するような感じになるかな。まぁ、習うより慣れろって言うから早速場所を移動して始めようか」
師匠がいうなり、また床が下にむかって降下し始めた。
それにしても師匠、なんか久しく合わないうちにしゃべり方がかなり緩くなってない?
初めて有った時はもっとかしこまってたのに・・。
そんなことを考えていると修行場所に到着した。
今度の修行場所は大自然って感じの場所だった。目の前に広がる草原、奥には森や山が見える。
「すごいでしょ。ここはね、外気の集まりやすさしか考えられてないつくりなんだよ。というわけで今から気の修行を始めるわけだけど、ソラ君まず川で体を洗ってきた方がいいよ。かなり臭うから」
そう言えばこの1カ月の間体洗ってないんだっけ。忘れてた。
「体洗ってきたら、今度はこれを着るといいよ」
そう言って師匠は青ジャージを渡してきた。
まぁ、このジャージなら1カ月間着てたから負荷の問題もないし大丈夫だろう。
「わかりました。行ってきます」
~1時間後~
「ソラ君、遅いじゃないか。どうしたんだい?」
師匠が心配そうな目で見てる。いや、見てるように見せかけてるだけだ。本心では心配してるかわからない。なんせこうなるように仕組んだ犯人なのだから。
「師匠、前のジャージより動きがきついです」
「当たり前じゃないか。これは修行なのだよ」
そう、俺は油断していた。前と同じなのは色だけだった。負荷が前よりきつくなっていたのだ。
そのせいで帰ってくるのに莫大な時間をかけてしまった。
「さ、体もきれいになったし、始めようか」
満面の笑みを浮かべている師匠。俺は確信した、この人は性格が悪い!!!
~修行100日目~
「いやー、ソラ君今日で長かった修行は終わりだ。よく頑張った。これで君は気を使えるようになっているはずだ。しかし、これは気の基礎に過ぎない。これからは自分で更に修行をする事。いいね」
修行開始からちょうど100日。長かった修行が終わった。
「はい、わかってます。ありがとうございました」
かなりきつく、思い出したくない修行内容だったが達成感を感じられた。
それにこれでやっと冒険にでかけられる。
「さて、特殊イベント達成のお祝いとしてソラ君にいい物をプレゼントしよう」
師匠はローブの様なものを差し出してきた。色は茶色で、触った感じはごわごわしている。
「これはね、映画ス〇ー・ウォーズの衣装をもとにつくったんだ。師である私から一番弟子のソラ君に贈るよ。これには負荷をかける仕掛けとかは無いから安心してね。それから、いいことも教えてあげよう。
外に冒険に行くならテスト版では無かったこの街に1番近い建物に向かいなさい。役にたつはずだよ」
こう言った師匠の顔は始めは笑ってたが、後半は真面目な顔だった。
テスト版には無かったこの街から1番近い場所。分かんないからあとでカナデさんに聞きに行こう。
「さ、では1階に戻ろうか」
そう言うと床が上に移動し始めた。
1階につき、師匠にお礼を言ってから3カ月ぶりに街にでた。街の様子は何か変わっていた。
何かあったんだろうか?まぁ今はいいか。
俺は近くにあった宿に入り、久しぶりにベットで寝た。
明日から忙しくなりそうだ。
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名前:ソラ
HP130/130
魔力 5/5
攻撃 70
耐久 79
賢さ 20
精神 16 + 40→56
器用 8
スピード 40
アビリティー:〔刀〕・〔鑑定〕・〔振動〕・〔探知〕・〔万能言語〕
スキル:刀の才Lv1・鑑定Lv3・振動Lv36・探知Lv50・万能言語Lv1・ダッシュLv60
気Lv60・音波Lv20
防具:皮製の服・スクアードのローブ 武器:なし
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~新スキル~
『音波』
発動条件:振動のLvが30を超えると派生す
効果:振動を耳で聞こえない音程で発生させる
『気』
発動条件:特殊クエストにより発生
効果:気を使う事ができる
~すでに持っているスキル~
『刀の才』
発動条件:アビリティー〔刀〕によって発生
効果:全ての刀の技を派生させる
『鑑定』
発動条件:アビリティー〔鑑定〕によって発生
効果:あらゆる物を鑑定でき、詳しく知ることができる
『振動』
発動条件:アビリティー〔振動〕により発生
効果:自分の起こした居場所に揺れを起こせる
『万能言語』
発動条件:アビリティー〔万能言語〕によって発生
効果:常時発動しており、全ての言葉を訳す事が出来る
『探知』
発動条件:アビリティー〔探知〕によって発生
効果:特定の範囲の中に何があるかわかる
『ダッシュ』
発動条件:街の中を一定の距離以上走っる
効果:通常より早く動く事ができる
~装備~
『皮製の服』
効果:なし
攻撃系が武器のプレイヤーの初期装備。防具としては最弱の中の1つ
『スクアードのローブ』
効果:精神力+40の補正・異常状態無効・防水
スクアード手製のローブ、フードがついている。防具としてはチートに分類される。引き裂こうとしたらゲーム中最強のドラゴン10匹分の力がいる。