ゲーム設定その2
いよいよ設定が終了します
『ステイタス』これは設定時にランダムに決まります。
基本は6つの項目があり、項目により効果がちがいます。訓練で数値が増えます。
1.攻撃:物理的攻撃のダメージ
2.耐久:物理的攻撃に対する防御
3.賢さ:魔法攻撃によるダメージ
4.精神:魔法攻撃に対する防御
5.器用:生産成功補助
6.スピード:移動速度や動きの速度
平均値はそれぞれ20
その他に魔力やHP、が存在します。この2つは訓練では上がらずモンスターを倒し経験値をつみレベルを上げないと数値は増えません。
~空がもらった本より抜粋~
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「う~ん」
俺はすごく悩んでいた。どれを選べばいいんだ・・・。悩み始めてどれくらいたったかもわからない。
ここまで悩でいるもの、それは『アビリティー』だ。
目の前の端末の表示画面にはたくさんの『アビリティー』が映っている。数にすると約1000。
予想よりはるかに多い。こんなにあるなんて・・。それに『攻撃系』というくくりでくくられている『アビリティー』もある。これはいったい何なんだろう?飯の時ユウに詳しく聞いとけばよかった。
あの後、
ユウと一緒にご飯を食べた後、それぞれコクーンに入り設定を開始した。
正直『ステータス』の設定は簡単だった。なんたってランダムに選ばれるからだ。しかも悪いからっといって交換できず、1回目で出てきた数値が強制的にその人の『ステータス』になる。しかし『ステータス』の数値はゲーム内でいくらでも鍛えられるから、初期の数値が悪くても悲観することはない。
問題は『アビリティー』の方だ。『5つ選べるのだがゲーム内では変えることが出来ない物』ともらった本には書かれていただけでよく理解できなかった。
そしてその『アビリティー』の説明の後に『スキル』についての説明があったのをなんとなくだが覚えている。
「そもそもアビリティーとスキルの違いってなんなのさ!!!。どっちも『能力』って単語だし」
俺は自分1人しかいない空間でつぶやいていた。
≪よろしければ私がお教えしましょうか?≫
「え??」
俺は驚いた。この声は設定の時手助けしてくたあの『声』だ。
「会話ができるんですか?」
とりあえず聞いてみる。
≪ええ、設定時に困った方を手助けするのが私の仕事です。ですから簡単な会話や設定に関することは説明できるようにプログラムされてます≫
ああ、まさに今俺は設定で困っている。これは『天の声』だ。これからは天の声さんと呼ぼう。
「ぜひ、おねがいします」
≪わかりました。さっそくですがまず『アビリティー』は『才能』だと思ってください。
そして『スキル』とは『才能もしくは努力によって得られた能力や技』と思ってください≫
「『才能』と『能力や技』ですね?」
≪そうです。例えば[片手剣の才能]をとったとします。そうするとゲーム内に存在する全ての片手剣の技を習得できる[片手剣の才]という能力を習得できます。これが先ほど説明した『才能によって得られた能力』です。そして、全ての能力や技には『熟練度』といったものが存在します。『レベル』という言葉で表せるのですが、このレベルが一定のレベルを超えると能力や技は進化したり、強力になったり、派生したりします。
例えばさっきでた[片手剣の才]のレベルが一定のレベルを超えるとその能力どおり、新たな片手剣の技が習得できます。これが先ほどでてきた『努力によって得られる技』となります。またこの[片手剣の才]のレベルをあげて新たに技を覚えるを繰り返す以外に片手剣の技は習得出来ません。なので[片手剣の才]を得るのに必要な[片手剣の才能]を手に入れなければ片手剣の技は使えないのです。これで少しはお解りいただけましたでしょうか?≫
少し分かった。なんとなくだけど・・・。あとは習うより慣れよだな。
「ええ、何となくですが。それで・・その・・出来ればでいいんですが、その『アビリティー』を5つ選ぶの手伝ってもらえますか?」
藁にもすがる思いで天の声さんにお願いをする。正直何となくわかっただけだから1人じゃ無理だ。頼れるのは天の声さんだけだし・・。
≪いいですよ。私は設定の手助けをするために生み出されたプログラムですから≫
天の声さんが承諾してくれた。
「ありがとうございます。まずはどうすればいいんでしょうか?」
≪そうですね。5つ選べるといっても必ず1つは『攻撃系』を選ぶ決まりがありますから、まずそこから決めてしまいましょうか≫
「あの、『攻撃系』と言うのは何ですか?」
俺は申し訳なさげな声しかだせない。だってマジで申し訳ないんだもん。何とかなるかとか言ってないでちゃんとみんなみたいに調べればよかった。
≪『攻撃系』というのは先ほど言った[片手剣の才能]などの、武器や属性魔法の事をさします。まずは空様の先ほど決まった『ステータス』を見て魔法にするか武器にするかを決めましょう。今画面に出しますのでお待ちください≫
少し時間をおいた後、画面に俺のステータスが表示された。
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名前:ソラ Lev1
HP130/130
魔力5/5
攻撃 10
耐久 19
賢さ 20
精神 16
器用 8
スピード 24
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なんじゃこりゃ!?俺の記憶が確かならば基本6項目の平均は20だったはず。なのに器用8とか洒落にならない。しかも魔力に限っては5とかもう選択肢から魔法の可能性がなくなったよ。ただ今までこっちの世界で足の遅かった俺が平均より上ってのはうれしい!!
≪攻撃系はHPが平均よりはるか上なので武器にしましょう。何か使いたい物があるか見て下さい≫
これは天の声さんに気を遣わせてしまったよ・・。あえて魔法についてふれてくれなかったよ。
などと思いながら何かないか探してゆく。
「あ!!!」
思わず大きな声を出してしまった。
≪何かありましたか?≫
「はい!!1つだけありました。これにします。」
もうテンションがやばくなってきた。とんでもないの見つけてしまった。
≪では、その項目をタッチして下さい。そしたら他の物をかんがえましょう。何か条件があれば言って下さいピックアップしますから≫
俺は間違わないようにタッチをして、あと4つの才能を考える。
何が必要だろうか?基本の情報集めにはやっぱりコミュニケーションどろうか?
「とりあえず、情報収集に役に立ちそうなものやコミュニケーション系でお願いします」
≪わかりました。今の条件に合いそうな物をだしました≫
画面を見るといろいろあった。[監視]や[盗聴]、[高感度上昇][聴覚強化][隠密]etc・・
「質問なんですが、向こうの世界の言葉って日本語なんですか?他にエルフとかいるんですか?」
≪ええ、向こうの世界も日本語です。しかしエルフなどの他種族はいませんよ≫
なぜこんな事を聞いたかというと[万能言語]という才能があったからだ。他種はいない、言語は日本語なのに存在する才能。これは俺の勘が怪しいと言っている。俺の勘はよく当たる、だから勘に従おう。これであと3つ。
「えーと物や人の正体や能力がわかる才能ってありますか?」
≪えー、その条件だと1つですね。[鑑定]だけです≫
「じゃーそれでお願いします」
これで後2つ。何にしよう?
「そう言えば攻撃系に殴るとか蹴るって無かったんですけどなんでですか?」
≪それはですね。『身体強化系のスキル』だからです≫
「『身体強化系』ってなんですか?」
≪『身体強化系』というのは才能で攻撃系と呼ばれるのと同じような感じのくくりです≫
「能力や技の方にもくくりがそんざいするんですか?」
≪ええ、存在します。才能のほうは2種類でしたけど能力・技の方は4つに別れるんです。
1つ目が『魔法系』これは魔法関係全てをさします。2つ目が『技能系』これは武器による技が主です。
3つ目が『特殊系』これは攻撃系の才能以外の才能を必要とする物です。[鑑定]などがこれに当たります。
そして最後が『身体強力系』これは才能を全く必要としない物です。なのでゲーム内で特定の条件を満たしたりイベントクリアなどで習得できます。
才能を必要としないということは、悪く言えば努力さえすれば誰でも習得可能な技なのです。ですがあなどってはいけません、中には強い技もありますから≫
そうか、ゲーム始まったたら身体強化系をおぼえよう。手札が多いのはいいことの様なきがする。
それに天の声さんに質問するのに抵抗がなくなってきたな。まぁ、ことわざでもそんなのが有るしいいことのはずさ。
とりあえずは、あと2つか。何にしよう?
その後長い時間考えていたが思いつかなかったので
「何か使えそうなのでお勧めありますか?」
と天の声さんに丸投げし、お勧めの中から周りの気配などを知ることのできる[探知]と揺れを自在に揺れを操る[振動]の2つを選び疲れたのでさっさと才能の設定と最終確認をして全ての設定を終わらし、目をつぶり現実世界に戻ってきたのだった。
コクーンから出ると体がすごく痛くなってた。隣のコクーンを見るとまだユウはがんばっているらしくきどうしていた。
窓の外が真っ暗だったのでとりあえずまだ夜明け前らしい。時計を見てみると時間は午前2時となっていた。確か入ったのが午後5時ぐらいだから9時間入ってたことになるし、今日はその前に3時間入っていたから合計すると12時間。つまり半日にわたってゲームをしていたことになる。
ユウのことを廃人とか思ってたけど俺も人のことは言えないなと思っていたが疲れたので寝ることにした。この部屋を見たとき文句を言ったことに対して後悔したけど、いま思うことは
「ユウ、こんな素晴らしい環境を作ってくれてありがと。文句言ってごめんなさい」
そう言って俺は深い眠りに落ちて行った。
ゲーム開始まであと10時間をきっていた。