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状況を確認しよう
「待って!!」
可愛らしい声が聞こえてきました。
すると、どこからともなく女の子が飛び出して猿達を庇うように立ちはだかりました。
「えーっと・・・」
ステラは頭をポリポリと掻きます。
おっさん臭いんで、やめて欲しいです。
ヒロインのお方が・・・。
「あなたがメアリー様?」
リリィは優しく尋ねます。
女の子は小さく頷きました。
「お願いです・・・どうか・・・この子達を殺さないで・・・」
とぎれとぎれではありますが、強い意志を感じます。
「魔法会憲法その1」
フィルが突然言いました。
「何よりも先に、依頼者の希望を優先する」
フィルはメアリーちゃんの前に立ちはだかります。
「だから俺達はアンタを連れてく」
メアリーちゃんは叫びました。
「赤猿を倒して!!」
可愛らしい声が森に響きました。
「赤猿・・・?」
アルクが不思議そうな顔をしました。
それもそうです。
赤猿はこの地域にはいないはずなのですから。