状況を整理しましょう
村長さんは、優しそうな人でした。
隣では、目が真っ赤になった奥様がいます。
「ああ、本当に来てくれましたか・・・」
「ありがとうございます、ありがとうございます・・・」
メチャクチャ歓迎されました。
リリィは冷静です。
「で、お話を聞かせてもらませんか?」
ステラがイライラしていたので、空気を読んだだけですが。
「お聞きになったのでしょうが・・・。
私達の娘・・・メアリーは、花摘みの途中に猿に・・・」
「魔物に襲われたのです」
奥様も村長も、嘆いています。
ですが。
3人は、同じことを考えていました。
ベタ。
うん、ベタだね。
またですが。
筋肉馬鹿・アルクは、
「悲しいでしょう!我々がメアリー様を救い出してみせましょう!!」
カッコよく言いました。
またまたですが。
村長夫妻は。
「家の娘の名前を軽々しく呼ぶな!」
「メアリーって呼んでいいのは私達だけよ!」
先ほどの嘆きは何処吹くがぜ。
アルクを罵り始めました。
さすがの彼も、たじろきまくっています。
「ご安心ください!私達が娘さんを助け出して差し上げましょう」
リリィが助け舟をだします。
村長夫妻はまた嘆きました。
「ああ、どうかお願い致します・・・」
「何だコイツら・・・」
「しっ!そんなこと言わないの!」
本当に大丈夫でしょうか?