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明日への羅針盤

作者: 空詩
掲載日:2026/01/21

「今日の運勢、最悪じゃん」

スマホの占いアプリを見て、僕はため息をついた。


就活は三十社連続で不採用。もう次に進む気力も残っていなかった。


祖父の古本屋の手伝いをしていたら僕の目に一冊の本が留まった。

「人生の岐路で読む言葉」

パラパラとページをめくると、一枚のしおりが落ちた。

「諦めなければ、必ず道は開ける」祖父の字だった。


その日の夕方、常連客の老紳士が訪ねてきた。

「最近、元気ないようだね。一つ占ってあげよう」


老紳士は易を取り出し、静かに筮竹を操る。

「君自身が声を上げなければ、何も始まらない。だだが困難の先には必ず協力者が現れる」

力強く伝えてきた。


翌朝、僕はもう一度大学の就職課を訪ねた。

担当者は、僕の話を親身に聞いてくれた。

そして、地元の小さな出版社を紹介してくれた。


「実は、古本屋の息子さんを探していたんです」

面接で社長はそう言った。


「本が好きで、人の心が分かる人。それが我が社に必要な人材です」


一週間後、内定通知が届いた。

僕は、ようやく肩の力が抜けた気がした。


本棚を整理していると、あの老紳士の名刺が挟まっていた。

名刺にはこう書かれていた。「人生に無駄な出会いはない。全ての経験が君を強くする」


窓を開けると、風が吹き込んできた。新しい季節の香りだ。僕は深呼吸をし、明日への一歩を踏み出した。


占いは未来を決めない。ただ戦う勇気をくれるだけ。

読んでいただきありがとうございます。

他にも短編を投稿しています。

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