第10話 言葉にしないと、伝わらない事
無言の沈黙が続く
無言である
無言である
無言であった。
佐伯は、お父さん、怖い、怖い、怒っている、怒っている、厳しいお父さんだから、怖い、怖い、怖い
お父さん
「そういえば、戸倉が言っていたな、息子、今年から和井田で野球やるって!」
「おまえ、戸倉の息子と知り合いなのか!!」
佐伯は、怒られることを、覚悟して、スマートフォンの写真をお父さんにみせた
お父さん、お母さんは?!!
お父さんは立ち上がり
佐伯は、震えていた。怖い。怖い、ダメなの?私、恋しちゃ、ダメなの?なんで?怖い。お父さん。怖い
お父さんは、電話をして
「おう!今日は楽しかったぞ、誘ってくれて、ありがとう、」
「ドラコンは俺だがな?ところで、おまえんところの息子、今日タクシーで帰ってきたとか、言ってなかったか?」
電話は、少し、またされ、どうやら、聞いているようだ
「そうなのか!!!うちの娘が送っていったらしいぞ、ほら、娘、和井田だから」
「え、本当か!そうなのか、よし、そうだな、うん、こりゃ、よし、そうしよう!わかった、送る、じゃ」
お父さん
「その写真、俺にも送ってくれないか」
佐伯、・・・。画像を送信、スマートフォン、取り上げられちゃう、なんで!どうして、
なぜか、画像を送信後、スマートフォンをお父さんに渡した。
お父さんは、スマートフォンを操作し、再度立ち上がり
電話を
「お、またせたね!どう、みたか、どうだ?お!だろう、美人だろう、いいだろう、な!よし、わかった、じゃあな」
お父さん
「麗華!光君だろう!」
佐伯は、もう、ダメだ、ダメなのだ、私は、恋しちゃいけないの。だめなのだ。そう思うともう、下を向いたままであった」
佐伯
「はい」
お父さん
「!おまえら、付き合い始めたそうじゃないか!キスもしたとか、聞いたぞ!」
佐伯、終わった、全てが終わった、もう、いい、何も、したくない、学校も、いいや、もう、なんでも
お父さん
「でかした!麗華!」
お母さん
「本当に、戸倉君が、あの戸倉建設の!顔を見た時はわからなかったけれど、良かったね、お父さん!」
お父さん
「おう、母さん、そりゃ、良かったよ!戸倉のせがれと、うちの娘だ!」
佐伯・・・え?何?何のこと?でかした?やらかしたってこと?え?
お父さん
「戸倉と俺は、この30年くらいか、ずっと一緒にやってきた、あっちがゼネコン、うちが、重機だろ!」
「仕事以上に、親父同士、馬があってな!」
「それでな、戸倉も喜んでいたぞ!週末は、家に家族で来てくれる、もちろん、光君もだ!」
「麗華、良かったな!おめでとう!がんばってな!、父さん、うれいいぞ!!戸倉のせがれだものなー!」
お母さんは、ビールを追加し、
お母さん
「麗華、良かったわね、がんばったわね。ずっと、悩んでいたものね、戸倉君の事」
お父さん
「なんだ、母さん、知っていたのか?麗華と戸倉のせがれのこと?」
お母さん
「戸倉君という、思い人が居る事はしっていましたが、戸倉建設の息子さんとは、今、しりましたよ、お父さん」
お父さん
「麗華、もっと早く言ってくれれば、こちらか、戸倉の家につれていったのに、いや、めでたい!めでたい!」
佐伯?!え?
「お父さん、怒らないの?え?」
お父さん
「なんで、怒る必要があるのだ?自分の娘が、信頼できるところの、せがれと、恋仲だろう!父さん、嬉しいぞ!」
「良く仕留めた!!麗華」
「かあさん、寿司とろう!寿司!いやーー嬉しいわ!週末が楽しみだ!」
佐伯?!話についていけなかった・・・。
佐伯は、恐る恐る、小さな声で
「お父さん、お父さん、あの、お父さん、わ、わ、わたし、お付き合いしても良いの?」
お父さん
「当たり前だろうに、こっちから、お願いしたいくらいだぞ!戸倉だぞ、戸倉!俺と戸倉の仲!そのせがれと、娘だ」
「いっそのこと、結婚したらどうだ?」
お母さん、笑いながら
「あら、あら、気の早い事、お父さんったら、でも、お父さん、良かったですね」
「お父さん、娘は、絶対に、俺が納得できるところじゃないと、やらん!俺の娘は、世界一だからな!」
「と、ずっと、言っていましたからね、世界一の娘と」
佐伯は、その言葉を聞いて、涙が止まらず、泣いてしまった。
お父さんは、私の事を考えてくれていたことに、初めて気が付いたからである。
お父さん
「麗華よ、おめでとう!」
佐伯は、怖さの涙から、嬉しさの涙になり
子供のように、声に出して、泣いてしまった。
お父さんとお母さんも、良かった、良かったと。
お母さん!あ?あれ?そう、そうだ
「ところで、焼肉とかタクシー代とか、どうしたの?わたし、お金持たせなかったのよ」
お父さん
「かあさん、それは、持たせないと」
お母さん
「だって、タクシーだなんて、どうしたのお金?」
佐伯は、すすり、泣きながら、まだ、泣き止むことはできずに
佐伯
「キャプテン、キャプテンが、キャプテンは今関西のほうに、甲子園視察にいっているのだけど」
「キャプテンが用意してくれたの」
佐伯は、バックから、封筒を取り出して、お父さんに、渡した
お父さん!!!、え???
「キャプテンとは、何者なのだ?」
佐伯は、少し、落ち着いてきて
「わたし、佐賀の田舎に帰って、和井田に戻るときに、相談した楓の双子のお兄さんが、キャプテン」
お父さん
「楓さんは、山本財閥のご令嬢、え?その双子のお兄さん、ということは、山本財閥の御曹司いや」
「山本財閥の副社長様!が、キャプテンなのか?」
佐伯は、泣き止んで
「はい!キャプテンが、山本財閥の副社長、副キャプテンが、株式会社 八重の社長」
「二人は、U-15日本代表で、初の世界を制覇したバッテリーが、キャプテンと、副キャプテン」
お父さん!!!え!
「うちの会社も、戸倉の会社も、山本財閥グループの傘下だぞ!とんでもないな、和井田ってところは!」
「それに、株式会社 八重 先日経済新聞に載っていた、民間ハイパーレスキューを束ねる会社」
佐伯は、泣き止み、お父さんを見て、なぜか自慢げに!
「さらにキャプテンは、飛び級でUCLAを卒業していて、医師免許も持っていて」
「副キャプテン、御手洗 由良君は、気象予報士の資格を、高校1年で取得済みなの」
「それでね、お父さん、お母さん、びっくりするのは、ここからで」
「キャプテンと副キャプテン、年末に結納式をあげて、翌年、結婚するのだって」
お父さん、おかあさん
「えええええええええーー!!」
お父さん、目が輝いて!!
「よし、家も、負けてられないぞ!!戸倉と話をすすめよう!!今週末は盛大に!かあさん!」
お母さん、あら、あら、まー、気の早い事
「はい、はい、わかりました」
三人は大笑い
いつぶりだろう、
お父さん、お母さん、わたしで、笑ったのなんて
幼稚園の時かな
と
佐伯は、振り返って、いた。
でも、良かった。
ちゃんと、話せて
言葉にできて、
お母さんに伝えられて
お父さんに、伝えられて
言葉にしないと、伝わらない事を、あらためて、知った
佐伯であった。
佐伯麗華と戸倉光
Fin.
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佐伯麗華と、戸倉悟の告白編如何だったでしょうか
この物語の本編
「恋愛、泣ける群像劇、そして伝説の甲子園」
ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」
スピンアウトした告白編です。
本編を読んで頂けますと、物語がより明確になります
本編も宜しくお願い致します masuta