56話 夜明けとリメンバー(2)
けれど今の状況はわからない。辺りを確認したいけれど身体が痺れて起き上がれない。
そして瞳にはヨザクラくんしか映らなくて私は涙を流した。助かったんだと確信した。
「……へへっ、会いたかった…」
「俺も会いたかったです」
「ねぇ何で?何でヨザクラくんがいるの…?」
「会いたかったんです」
ヨザクラくんの瞳が潤んでいる。そして声も震えている。私と一緒だと思わず微笑んでしまった。
ヨザクラくんは私を優しく抱きしめてくれる。いつの間にか縛られていた手足が自由になっていて私もヨザクラくんの服を握った。
力が入らなくて私からは引き寄せられないけれどヨザクラくんは確かにここにいる。
「ヨザクラくん」
「はい…」
「どうやったら、君の傍に居れるのかな…?」
「俺がメイさんの傍に居ます」
耳元で聞こえた言葉に私は更に涙を流す。嬉しくて訳がわからなかった。
これが幸せなんだとやっと覚えられた。
「メイさん」
「何?」
「どうやったらメイさんを救えますか?」
「……わからない」
「っ…」
「でも」
「でも?」
「ヨザクラくんと朝日を見てみたいなぁ。夜が終わる瞬間を2人で過ごして、やっと上がる朝日を見るの。それが今の私の救いになってくれるかも…」
「見ましょう。朝日を見たら次は太陽が沈むところも見るんです。夕日を眺めてそして夜になる瞬間も一緒に」
「ふふっ。いいね、それ」
心があったかい。胸が締めつけられているのに全然苦しくない。
心地よくて時が止まって欲しいと願ってしまう。
夢じゃない。夢じゃないんだ。
これからのことや兄さんのこと。薬を盛った兵士や火傷を負わせてしまった兵士のこと。
罪を犯した私は簡単に夜の王国から出ることは出来ないだろう。
でも私の生きる意味は自分で見つけた。もう心配する必要はない気がする。
するとヨザクラくんは少しだけ身体を離して私と目を合わせる。酷いことしたのにヨザクラくんは優しい眼差しを私に向けてくれた。
「メイさん」
「うん」
「一緒に夜明けを探しませんか?」
何年掛かっても探し続けよう。私はそんな想いを込めて頷いた。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
以上にて【夜明けとリメンバー】完結となります。
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