つぐのひ
クリア日 2月17日。
公称ジャンル 日常侵食リアルホラー
人類が繁栄した結果、霊物との境界が曖昧になり、気づかないうちに罪を犯してしまう昨今、本来来るはずの「つぎのひ」は、霊の力によって「つぐのひ(償ひ」の呪いに捻じ曲げられてしまう。
うん、なんのことやらさっぱりですね。
先日、いまどんなものがあるのかとストアの新作コーナーを覗きました。そこにこのつぐのひがあったんですね。新作なのに990円だし、面白そうだからいっちょ買ってみよってなりました。
買ったあとにウィキペディア見て知ったんですが、もう10年も展開しているシリーズなんだそうですね。ぜんぜん知りませんでした。
十年前の旧作と、わりと最近の新作、合わせて9本のシナリオが入っています。
一本は短いですが、ルートが2周分用意されているのもあり、全部プレイするにはそこそこ時間がかかります。値段分は十分楽しめました。
第一シナリオにこのゲームの要素がすべて含まれています。
主人公はなんら悪いことするわけでもなく、単純に家まで道なりに帰る日常を送ります。
それが日一日ずつ、徐々に心霊物に侵食されていき、最後は異世界へ迷い込んで、現実世界では行方不明扱いなる、というのが基本の構成です。
プレイとしては左ボタンを押しっぱなしで、主人公が移動していきます。たまに文字を送るのに◯ボタンを押す以外にほとんど操作はありません。
主人公は黙々と歩をすすめ、だんだん頻出するようになるホラー演出に驚いたり無反応だったりして最終日にはつぐのひ(異世界突入)となります。
感触としては子供のころ読んだホラー漫画的世界というか、ホラーの動く絵本ですね。
ゲーム性はほぼなく、テキストも最小限で読ませるようなシナリオではありません。
主人公を移動させてホラー演出を楽しむだけのゲームです。
シナリオ選択に入るとまず、猫が主人公の話に目がひかれました。
猫の散歩がホラーになるんだろうか、とワクテカしながらプレイしました。
なんだろう、これは。
いままでのシナリオとまったく同じ構成です。人間が猫になっただけです。
猫が散歩して猫の霊に取り憑かれて、異世界に入って行方不明です。
タイトルの猫を左に移動させると新ルートに入れるんですが、こっちは猫が普通に散歩しながら独り言をいうだけです。それが22日続きます。こんなんあるのかと、こっちのほうが新鮮でした。
初期作にはギャグ調の第二ルートがあるのですが、後期作は画面が白黒になるだけだったりしてつまらなかったです。
今は亡きキズナアイとのコラボシナリオもありますが、キズナアイをよく知らないので、ネタ的に面白いのかよくわかりませんでした。
お気に入りは幽闇の並葬列車。
主人公は電車のなかを移動するだけですが、背景に取り込み画像のモブを多数使っており、ちょっと異色です。
そのモブを使ってのホラー演出が楽しく、テキストも最低限で、最終日はまるでドリフのコントのようなホラー演出畳み掛けが気持ちよかったです。
990円ならお得です。楽しめました。