輝く舞台へ⑤
ビキニ美女は私に近づくや、私に抱きついてきた。
「ヨロシクー!名前は?」
「いや、あの......あ、雨宮晴です」
「ハルね!宜しく!あ、アタシは杉崎彩奈!アヤナでいーよー!」
底抜けに明るい人だ。見た目とのギャップに圧倒される。
「は、はぁ」
まさかの歓迎っぷりだ。
って、待て待て。圧倒されていてはダメだ。
「や、でも私何も出来ないですよ?」
「いいのいいの!アタシもまだ始めて1ヶ月くらいだしさ!一緒に頑張ろっ!」
何でここまで初対面の相手にグイグイ来れるのか分からない。これが美男美女だけが持つとされるコミュニケーション能力なのだろうか。ごく普通の一般女子のコミュ力では到底太刀打ちできない。
てか、始めて1ヶ月?それって、ほぼ素人では?
行原が私の方を振り返る。
「良かったな、交渉成立だ。えーっと、あめ.....あめ......あめさき?」
「雨宮です。名前も知らない人のこと、よく連れて来れましたよね」
「何はともあれ、これで《《コンビ》》結成だな」
私の言葉を無視して、行原がうんうんと頷く。
なんとなくだが、行原は他人の話を聞かない傾向がある気がした。
ただ、そんなことよりも、気になることがあった。
コンビってどーゆうことだろう?
なんとなく引っかかる。アイドルとかなら、デュオとかユニットとか、そんな言い方をするように思うからだ。それに、先程は相方とも言っていた。よく考えると、アイドルで相方なんて言い方するのだろうか?
これって、もしかして.....
私の中である疑問が浮上していた。
「あ、あの、1つ良いですか?」
「何だよ、あめふらし」
行原が相変わらずダルそうな声を出す。
「雨宮です。名前覚えてください」
「有名にならないと、覚えられないんだよ」
「オッサンですかアナタ。て、そんなことより」
「え、待って。ヤバくない?」
彩奈が私を見て、驚いたように手を口に当てる。
今度は何だ。
「バリ、ツッコミうまいんだけど!」
「はぁ?」
その反応に呆れてしまう。
急にどうしたんだ、この人。
「だろ?俺の目に狂いはなかった」
そして、何故か誇らしげな行原。
意味が分からない。
いや待て、この2人がやろうとしていることを考えたら辻褄が合う。
「と、とにかく、1つ良いですか?」
なんとかキャッキャする2人に割って入って聞く。
「も、もしかして.....私、お笑い芸人に誘われてます?」




