表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二面性彼女は、ハグが大好き。  作者: すたぁと。
1/2

4月1日:音羽の引っ越し

「すみません、隣に引っ越してきた者なのですが」


午後3時。やっと引っ越しの片付けが終わり、昼寝をしようかと思っていた頃、彼女はやってきた。


「わざわざありがとうございます。今開けますね」


声からして相当若い女の子だ。僕と同じくらいか、もう少し下ぐらいだろうか。


僕は慣れない玄関の鍵を開け、初めて直接彼女と顔を合わせる。


美咲(みさき)音葉(おとは)と申します。これからよろしくお願いします」


ドアを開けた途端、お辞儀した彼女の綺麗な黒髪が目に飛び込んで来た。

お辞儀をしているので顔はよく見えないが、髪だけでなんとなく綺麗な人なんだろうと察するほどだ。


「あの......?」


思わず見惚れていると、彼女は不思議そうな顔をしてこちらを見上げた。

やっぱりとても綺麗な人だ。


「あぁ、すいません。僕は真口(まぐち)(れい)と言います。実は僕も一昨日引っ越してきたばかりなので、何かの縁ということで仲良くして貰えると嬉しいです」


とは言ったものの。こんな可愛い人と僕が顔を合わせるのも失礼だろう。

ましてや隣の部屋に住むだなんて、一生の運を使い切ったのじゃないだろうか?


「そうだったんですね。分かりました。では今後とも隣人としてよろしくお願いします」


彼女は深々と礼をして、自分の部屋へと戻っていった。

口ではああ言ってるが、おそらく社交辞令なんだろう。

彼女からはなんとも言えない「私に関わらないで」というオーラが醸し出されていた。


「まぁ、顔を合わせたら挨拶はしないとな」


“無関心”が“嫌い”に変わらないためにも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ