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第4週目 健康診断

 今日は健康診断の日。前日、海堂は風紀委員長に言われていた。


「いいか、海堂。今日の健康診断は保健委員会の管轄で補助として手伝っていて、監視はしているが、健康診断は良からぬ考えの男子生徒が必ずいるので、毎年我が風紀委員がパトロールして警戒している。勿論、先生方も目を光らせているが、取り締まりは我々の仕事だ。抜かるなよ」


「はい」


 健康診断は、まず男子から始め、その後、女子となる。海堂は自分の健康診断を終え、女子生徒の診察時間になると警戒を強め、辺りを見廻る。と、そこへ、


「きゃ〜」


 女子の悲鳴が聞こえた。海堂は急いで駆けつけ、教室のドアを開ける。


「どうした?」


「きゃ~」


 そこには着替えている同じクラスの結城(ゆうき) (さき)がいた。


「わ、悪い」


 海堂は直ぐ後ろを向いた。


「何があった?」


「誰かが窓から覗いていて」


 その時、


「どうかしたか?」


 リサが駆けつけて来た。


「誰かが、窓から覗いていたんです」


 それを聞いたリサは窓の外を確認すると逃げていく人影が。リサは窓から飛び出して人影を追った。海堂もリサの後を追いかけ、リサに追いつくと、


「遅いぞ」


「すいません」


「あんたは向こうから、私はこっちから追う。挟み撃ちにするよ」


 海堂は校舎の中から行き、リサはそのまま外を行く。そして、2人は怪しい人物を挟み撃ちし追い詰めた。その人物は見たことのない部外者の男だった。


「くそっ」


 男は懐からナイフを取り出しリサに向かって走り出した。


「リサ先輩!」


「どけ!」


 リサは男が突き出して来たナイフを蹴り落とし、更に顔面に強烈なキックをくらわせた。男が倒れるとリサはダメ押しで男をボコボコに殴り倒す。


「ヒー」


 男の顔面は腫れ上がり、気絶している。


「後は先生と警察に任せて、私たちはパトロールの続きをするぞ」


 リサはそう言うと持ち場に戻る。海堂はボコボコにされた男を見て、リサ先輩を怒らせない様にしようと心に誓ったのであった。


 その後は、何事もなく無事に健康診断も終わり放課後となる。

会議室では、生徒会と各委員会委員長、副委員長が集まっていた。


委員会の種類には、

学級委員会 クラスで男女1人ずつ選ばれる学級委員の集まり。

体育委員会 体育用具、体育祭、運動部などの監督、管理。

文化委員会 文化祭や文化部の監督、管理。

図書委員会 図書室の管理。

保健委員会 校内の衛生管理、指導、保健室の補助。

風紀委員会 校内の風紀の取締り、美化指導。

放送委員会 学校内外の広報活動を管理。

予算委員会 生徒会予算、ポイント、備品の管理。

の8つがある。


 書記の青山が司会を務め、


「今年度4月期生徒会会議を行います。まずは、各委員会の今月の報告を。最初に体育委員会からどうぞ」


 各委員会が順番に今月の業務報告をしていく。


「最後に予算委員会からは、去年全国優勝したサッカー部の部費を3割UP、それとスタメンには各5000ポイント。大会でアマチュア優勝したゴルフ部部長には1万ポイント付与。他、優秀な成績を収めた生徒にも規定のポイント付与しました」


 ポイントを集めるには委員会に入るだけでなく、部活で良い成績を残すことで得る事もできる。その他にもいろんなイベントで獲得するチャンスがある。


「次に5月以降の業務について意見のある方はどうぞ」


「文化委員会からは委員の承認をお願いします」


「分かった」


 委員会は入会試験で入ってくる委員とは別に委員会の推薦と生徒会の承認で新たな人材を入れる事が可能だ。文化委員会、予算委員会は新たに新人が入ってこなかったため、委員会の推薦による人材の補充をした。しかし、これは珍しい事ではなく3分の1はこれで入ってくる。例えば、副会長の西園寺もその1人である。


ー翌日ー


 学年ごとの現在のランキングが発表される。発表方法は各生徒手帳に自分の現在のポイント数と順位が表示され、自分の学年のTOP10と全校のTOP10を見ることができる。


「さて俺はいったい何位か?」


 海堂が自分の生徒手帳を見ると、7500ポイントの150人中5位。


「健太は何位だった?」


「すごい。僕は4600ポイントの7位だ。これも海堂くんが委員会に誘ってくれたおかげだよ」


 まだ、入学して一か月ほどしか経っていなく、1年生はほとんどポイントを稼げていないので委員会の仕事をしている森山が僅かの差で上位にきていた。もし、委員会をしていなかったら16位まで下がっていた。と、そこに同じクラスの神崎(かんざき)が話かけて来た。


「海堂、君は風紀委員になったみたいだけど、ポイントでは君には負けないよ。そして絶対に結果を出して自分も生徒会に入ってみせる」


 そう言うと立ち去って行く。彼の名は神崎 政近(まさちか)。学級委員で14500ポイントの1位。彼も生徒会の試験を受けたが体力が無く第一試験で落ちていた。なので、合格した海堂をライバル視している。


「何でアイツは1万ポイントも入ってるんだ?」


「神崎くんは、入学試験をトップ合格したからね。入学試験1位は、1万ポイント貰えるみたいだよ」


 じつは、そう言う健太も入学試験を3位通過しており2500ポイント付与されていた。


「へえー」


 ちなみに、全校トップは生徒会長の一条で23万9000ポイント。それに続き2位は副会長の西園寺で18万3500ポイント。TOP10のほとんどは3年の委員長の名前が並んでいる。

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