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第19週目 海水浴

 今日は海にきている海堂。


「いい天気だね」


 そこには健太も一緒にいる。

 

 それは先日のパーティーのこと、


「海堂くん、今度どこか遊びに行こうよ」


「おお、いいぜ。で、どこへ行く?」


「海なんかどう?」


「おっ、いいねえ。じゃあ、それで決まりだ」


 ということになり、2人で海に来ている。海堂の助っ人の方はどうなったかと言うと、野球部は海堂が合宿の間に地区優勝し、甲子園出場が決定した。甲子園は助っ人無しで戦うとのことなので海堂の出番は無い。他の運動部も公式戦がしばらく無いので助っ人の依頼は来ていない。なので、海堂は海に遊びに来ているのだ。


「よし、泳ぎに行こうぜ」


「うん」


 早速、泳ぎに行こうとした海堂たち。と、その時、


「あっ、海堂くん。奇遇ね、こんなところで会うなんて」


 声をかけて来たのは吉川だった。


「吉川、お前も来てたのか。それにしても今日は1人か?」


「あ、いや。友達とここで待ち合わせしてたんだけど、急用が出来たんで来れないって言われて⋯。そうだ!私も海堂くんたちの仲間に入れてくれない?せっかく来たんだもの。私も泳いで行きたいし、ダメ?」


「いいや、構わないけど。なあ、健太?」


「もちろんだよ。2人より3人の方が楽しいもんね」


「ありがとう」


 感謝する吉川。しかし、吉川は本当は友達と来る予定ではなく1人で来ていた。実は、吉川は生徒会のパーティーで海堂と健太が海に遊びに行くという話を聞き耳を立ててこっそりと聞いたいたのだ。そして、海堂たちが海に行く日に合わせて自分も偶然を装って海に行き合流しようと計画していたのだった。


「今度こそ、泳ぎに行くぜ」


 そして、3人は海に泳ぎに向かった。


「健太、あそこの浮きまでどちらが先に着くか勝負だ」


「いいとも」


 海堂と健太は浅瀬の足がつくところで泳ぎの競争をした。


「よっしゃー、俺の勝ち〜」


「さすが、海堂くん。僕も少しは自信あったんだけどな」


「ハハハ」


 と、そのとき海堂の頭にビーチボールがぶつかった。


「アイテッ」


「すいませーん、ボール取って下さ〜い」


 女性がボールを取りにやって来た。そして海堂はボールを渡そうとすると相手はクラスメイトの結城だった。


「あれ?海堂んじゃない」


「結城。お前もか。今日はよく知り合いに会うな」


「?」


「どうしたの海堂くん。!。あれれ、結城さん。結城さんも来てたんだね」


 健太も近づいた時に結城だと気づいた。


「うん。友達と遊びに来てるんだ。あっ、海堂くんたちも一緒にどう」


 結城はクラスメイトの女友達4人で遊びに来ていた。すると、


「ねえ、待ってよ〜」


 吉川が追いついて来た。


「⁉︎」


 結城は吉川を見て目が点になる。


「悪い、悪い。吉川のこと忘れてた」


「ひど〜い」


「海堂くん、もしかして彼女と一緒に来たの?」


「あー。吉川とは偶然ここで会ったんだけど、色々あって一緒に遊ぶことになったんだよ」


「ふ~ん、そうなんだ」


 結城は奥歯に物が挟まったような言い方をした。


「あなたは確か海堂くんのクラスメイトのかたでしたね。私、吉川です。よろしく」


「結城です。こちらこそよろしく」


 2人は、そう言うと笑顔で握手を交わした。その握手した手には目一杯の力が加わっていて、2人の目は笑っていない上、火花が散っている。2人はお互いが恋のライバルである事を直感したのだったが、海堂はそんなことには気付いていない。


「さあ、海堂くん。結城さんたちの邪魔しちゃ悪いから向こう行きましょ」


「あ、ああ」


 吉川は海堂の手を掴みその場を離れる。


「キイーー。何、手なんか握っちゃって。何なのあの子。海堂くんも海堂くんよ」


「結城さん、落ち着いて」


 健太が結城をなだめるが、


「私も行くわ」


「えっ」


 結城は海堂の後について行く。


(さき)! どこ行くの?」


 結城の友達が聞くと、


「ごめん、私行ってくる」


「咲〜」


「結城さ〜ん。待ってよ」


 結城の後を健太が更に追う。そして、2人が海堂たちに追いつくと、吉川は結城の事に気づき、


「結城さん、お友達の方はいいんですか?」


 吉川が尋ねる。


「いいの、いいの」


「そう」


「あなたと海堂くんを2人きりには出来ないわ」


 ボソッと言った。


「2人きりって、僕もいるんだけどな⋯」


 その後4人は、海で遊んだり、海の家でお昼を食べたりした。そんな中、結城と吉川は何かにつけて対抗心を剥き出しにして、我さきにと海堂にアピールする。しかし、海堂は、全然気にしていない。というか、そういう事に鈍感なのか全く気づかない。一方の健太は、(はた)から見ていると女の戦いがはっきりと分かり、恐ろしく思うのと、海堂がこれに気づかない事に逆に感心するほどである。


「これに気づかないなんて、逆にスゴイよ。海堂くん」


「何か言ったか?」


「ううん。何でもない。これじゃあ結城さんと吉川さんも苦労するよ」


「?」


 海堂は何のことかサッパリ分からない。


 そして、日が暮れて。


「じゃあ、今度は新学期でね。バイバイ」


 結城は一緒に来ていた友達と帰って行く。


「そんじゃ、俺たちも帰ろうぜ」


 そして海堂たちも帰るのであった。

すいません。次話更新は未定です。

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