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第16週目 夏休み

 前期も終わり夏休みに入った。海堂はと言うとある屋敷の門の前にいた。


「すごいお屋敷だね」


 海堂の隣にいた健太が言った。健太の言う、その屋敷は塀の端が見えない程長く続いていて、敷地の周りを歩いたら1時間以上かかりそうな広さだった。


「ここが西園寺副会長の家か⋯」


 驚いている2人だが、何故彼らがここにいるかと言うと。


ー夏休み前ー


「海堂くん」


「はい、何ですか。副会長」


「その副会長という呼び方はちょっとおよしになって」


「じゃあ、西園寺先輩。何か用ですか」


「今度、(うち)で小さなホームパーティーを行うのですが生徒会の皆さまを新入生歓迎会も兼ねて招待したいと思ってまして、海堂くんも来てくれるかしら?」


「もちろん行かせていただきます」


 西園寺先輩に誘われて浮かれる海堂。


「海堂。西園寺くんの家に行く時はちゃんとした正装で来るんだぞ」


 海堂は一条会長にそう言われて、一応、綺麗な格好で来たが、思っていた家を遥かに超えた規模だった。周りを見ると他の委員の人も正装している。すると門が開き、西園寺が出迎えてくれた。


「皆さま、ようこそいらっしゃいました。どうぞ、中へ」


 海堂たちが門の中に入ると車が用意されていた。門から家までは少し距離があるので車移動になる。それほど敷地は広いのだ。海堂たちは、数台の車に分かれて乗り、2分ほど走ると家の前に停まる。そして、車を降りると、更に驚愕する。


「何だこれは?」


 海堂が驚くのも無理はない。その建物は家というより宮殿のような外観。


「さあ、会場はこちらですわ」


 西園寺に導かれて向かった先は大きな庭で、そこにはテーブルが所々にあり、シェフが目の前で料理してくれるビュッフェタイプの立食パーティーだった。


「ようこそ皆さん。我が家のささやかなパーティーに来てくださりありがとう。今日は楽しんでいってくだされ」


 そこに一人の老人が現れた。


「お爺さま」


 その老人は西園寺の祖父だった。


「西園寺先輩の親は何やってる人なんだ?こんな大きな家見たことないぜ」


 海堂が不思議に思っていると、一条が教えてくれた。


「西園寺家は西園寺グループを擁する財閥で、不動産業、建設業、金融業など幅広い分野に進出している大企業だ。そして、先程の人が西園寺グループの創始者で西園寺くんの祖父の西園寺 惣十郎(そうじゅうろう)殿だ。ちなみに惣十郎殿は盟友会の理事長もされている。粗相のないように気をつけたまえ」


「西園寺先輩は、そんなすごい会社のお嬢様だったなんて」


 海堂は更に驚く。と、そこに西園寺先輩の祖父の惣十郎が一条に話かけてきた。


「一条くん、お父上に今度、会食を設けるからとお伝えくだされ。それと後で話があるので部屋にいらっしゃい」


「はい。では後ほど」


 惣十郎は話終えると屋敷に戻って行く。


「一条先輩のお父さんと西園寺先輩のおじいさんは知り合いなんですか?」


「ああ、そうか。海堂には言ってなかったな。私の父は国会議員をしていてね。一応、盟友会の会員でもあるため面識があるのだよ」


「国会議員⋯一条⋯はっ!一条ってもしかして一条総理大臣。先輩のお父さんって一条総理なんですか」


「その通り」


「知らなかった」


 海堂は次から次へと衝撃の事実を知り、頭がこんがらがりそうになる。海堂は落ち着こうと飲み物を取りに。


「海堂くん、こんな豪邸に招待されて緊張するね」


「そうだな」


 海堂と健太は2人でいる方が落ち着くので隅っこで食事に専念した。そして1時間後、パーティーもお開きになる。


「あー。食い過ぎた」


「うっぷ」


 海堂と健太は食べることに集中し過ぎて、食べ過ぎで動くのさえ辛そうだ。そんな時、一条が通りがけに、


「海堂。夏休みは生徒会の合宿があるからそのつもりでな」


 そう言って立ち去る。


ー翌日ー


 夏休みになったが、海堂は学校にいた。なぜなら立花と一緒に卓球部の練習に参加していたからである。


「おりゃ」


 スマッシュを決める立花。立花はパワーもあるが卓球に必要な俊敏さやテクニックも持っていてる。海堂は感心していると、隣から、


「サー」


 気合の入った掛け声の男子が。それは体育委員の火野(ひの) 敦士(あつし)だった。彼も今回から助っ人として立花に呼ばれて参加している。


「火野。お前もなかなかやるな」


「ありがとうございます。だけど立花先輩には敵いませんよ」


「ガハハハ、お前も練習すればこれくらいは出来るようになるぞ」


 海堂も負けじと練習するが、初めてするので流石の海堂も上手くできない。すると、卓球部の部長がやってきて、


「よく球を見て」


 アドバイスをしてくれる。しかし、海堂は部長に指導を受けるがなかなか上達しない。


「やっぱり立花先輩のようにいかないなあ。流石、立花先輩だ」


 海堂が弱気な事を言うと部長が、


「海堂くん。立花くんは確かに上手だよ。しかし、初めからあんなに上手に出来たと思うかい?彼も初めは君のようにうまく出来なかったんだよ。それを毎日、練習する事であそこまで上達したんだ。もちろんセンスはあったけどね。だから、海堂くんも頑張って」


「立花先輩もそんな時期があったなんて⋯」


 海堂はそれを聞いて、やる気が出てきた。


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