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第11週目 放送委員会

「海堂くん、だいぶ上達しましたね」


 白鳥委員長に褒められる海堂。


「ところで海堂くんは風紀委員会に戻りたいって聞いたんだけど、そこのところどうなの?」


「はい。別に保健委員会が嫌とかじゃないいですが、できればその方が⋯」


「そうですか、わかりました。では、私から生徒会長に頼んでみます。だけど、一つ問題が。海堂くんがいなくなったら、また男手が足りなくなってしまいます。海堂くん、誰か良い方いませんか?」


「考えてみます」


 海堂は風紀委員会に戻れるチャンスを手に入れた。


ー翌日ー


「⋯という訳で風紀委員会に戻れそうなんだ」


「良かったね、海堂くん」


 海堂は健太と話していると、


「そうだ。健太、俺の代わりに保健委員会に入らないか?」


「えー、ぼ、僕が?無理だよ」


「大丈夫だよ。女子でも出来るんだから健太も出来るさ。なー、頼むよ」


「んー、分かったよ。生徒会に入れるのは嬉しいし、やってみるよ」


 こうして健太は保健委員会に入ることになった。そして、その日の放課後、海堂は生徒会室に呼ばれる。


「海堂、話は白鳥くんから聞いている。後任の者も決まり、風紀委員会に戻りたいと言う事だが。結論から言うと、それは無理だ。風紀委員会も空きは無いし、人手も足りていてね」


「そんな⋯」


「しかしだ。後任も決まってしまったのでは行くところが無いだろうから、今のところ生徒会本部の所属として働いてもらうことにする。そして、君には所属していた風紀委員と保健委員の権限使用の許可を与える。これで風紀委員会としての取り締まりや保健委員会の仕事も自分の判断で行うことが出来る。と言っても、現在する仕事は特に無いので、放送委員会の方に応援として行ってくれたまえ。臨時で応援を頼まれていたので丁度良かった」


「わかりました」


 海堂はしぶしぶ了解し、部屋を出て行く。


「会長、一体何を考えていらっしゃるの?」


 副会長の西園寺が尋ねると、


「海堂には、やってもらわねばならないことがあるのだよ」


 一条は言った。


 そして、今度は放送委員会に行くこととなってしまった海堂は、保健委員会室に行き、扉をノックし入ってみると、みんな忙しそうにしている。


「失礼します。あの~」


 海堂が呼びかけても誰も見向きもしない。


「例の件はどうなった?」


「はい。現在、各所と調整中です」


「委員長、記事の確認を」


「⋯OK。これで頼む」


「了解、じゃあこれ印刷して」


 海堂は放送委員の人に書類を渡された。


「自分は⋯」


「早く時間がないよ」


「は、はい」


 強引な委員会の人に海堂は仕方なく従い作業する。そして、仕事も一段落つくと、


「ふう。ちょっと休憩しようか⋯?あれ、君は誰だい」


 放送委員会の人はようやく海堂のことに気づいた。


「あの、生徒会から派遣されました海堂です」


「あー、生徒会の人だったのか、手伝わせて悪かったね。待っていたよ。自分は放送委員長の安西(あんざい)だ。よろしく。あとそこにいるのは、副委員長の広瀬と委員の吉川。それと新聞部部長の木村と放送部部長の石井だ」


放送委員長、3年 安西 太一、現在の所有ポイント14万5800。

副委員長、2年 広瀬 美保(みほ) 、現在の所有ポイント67500。

委員、1年 吉川 美和(みわ)、現在の所有ポイント10600。

新聞部部長、3年 木村 次郎、現在の所有ポイント13万500。

放送部部長、3年 石井 明美(あけみ) 、現在の所有ポイント12万7600。


 放送委員会室には委員3人と何故か放送部と新聞部の部長2人がいた。海堂は不思議そうに部長たちを見た。


「ああ、何で放送部と新聞部がいるか不思議かい?うちの委員会は学校内外の広報を管理するのが仕事でね、放送部と新聞部が委員会にいた方が効率がいいんだよ。それと実は、生徒会に応援を頼んだのはその事と関係があるんだ」


「放送部と新聞部がここにいることですか?」


「そうだ。今現在、新聞部ではある事件を追っていてね。取材をしているところなんだが、これを見てくれ」


 そう言うと安西委員長は一枚の紙を見せてきた。


「これは脅迫文」


「そう、脅迫文が送られてきたんだ。恐らく事件の当事者が我々が調べるのを止めさせようとしているんだろう。脅迫文によると止めなければ危害を加えると言っている。だから、用心のため生徒会に応援を頼んだんだ」


「事件とは?」


「この前、ポイントの売買が行われていると新聞部にタレコミがあった。知っての通り金銭でのポイント売買は校則で禁止されていて、今それを新聞部が取材している」


「それだったら風紀委員会に通報すればいいじゃないですか」


「勿論するが証拠も無いし、誤報の可能性もある。まずは証拠を集めて確証を得てからとこちらが判断した訳だ」


「まあ、そういうことなら、自分も協力します。でも、危なくなったら風紀委員会に報告しますから」


「分かったよ。じゃあ、詳しくは新聞部部長の木村に聞いてくれて」


「君は風紀委員会にいたんだって?頼りにしてるよ」


 木村はそう言うと海堂の肩を叩く。


 こうして海堂は事件の真相を確かめる間、新聞部の護衛として働くことになった。

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