表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された魔王の娘の下剋上  作者: ルナねこ族
第一章  捨て駒としての生活
2/78

2話  捨て駒として使われる羽目に…



「もおぉぉ!!なんなのよ!」



転送された先の学寮の部屋で、私は枕に顔を埋め、足をジタバタとさせていた。


普段なら小うるさい執事やメイドから



『そのような品の無い仕草など、してはいけません!』


とか


『そのようなことをしている暇があるのならば、魔法についてのお勉強をいたしてはどうです?』


とか、色々と指図される。


けど、今は執事もメイドもいない!自由ではあるのだが……



「転生したら魔王の娘で?!魔力全く無くて魔法使えないから道具扱いになるだなんて!」



あんまりじゃない!もともとあった常識を振り払って、魔界の常識覚えるの大変だったのよ?!


一応、”元”お父様が学園に連絡を入れてくれたおかげで、寝泊りする場所や食事に困る事はないけど…


ちなみに、学園は基本的に全寮制だ。


ただし、長期休暇や連休の時などは学園に備わっている転送陣を使い、実家に帰還しても良いとなっている。



「それもこれも!自分の外面的な所を気にしてるからでしょう?!」



愛なんか一ミリも感じられないわ!……お母様は私が小さい頃に人間に殺されてしまったし‥。


いまだにジタバタしている私の元に、私の使い魔の白蛇が、スルスルとベットを登ってくる。


白蛇は私を慰めるように、私の頬を舐めてくる。



「あなたも大変ね。……下等魔獣とか、そんな事にこだわる必要があるのかしら?」



私の言葉を聞くと、蛇はしゅん…としてしまった。


慌てて白蛇の頭を撫でると、今度は気持ちよさそうにする。


今後…どうしましょう。



「私、まだ基礎中の基礎くらいしか魔法が使えないですし……学園入学まで、今日含めてあと3日。」



そんなに短い期間に、何が出来ると言うのでしょう?


腕を組み、ベットの上で真剣に考える。



「やっぱり、魔力消費の効率について、もっと学ぶべきかしら?それとも…ユニーク魔法をもう一度作るべきかしら……。」



一番いいのは、魔力量を増やせる事だけれど……そんな事、成し遂げられた人はひとりもいないし……。


今までの魔王たちが作ろうとして失敗しているものを、私なんかが作る事が出来るのかしら?



「ええい!悩んでいても仕方がありませんわ!」



とりあえず、筆記だけでも好成績を残さないと…今度こそ、お父様に殺されてしまうかもしれないわ。


リリは前世、日本の女子高校生だった。


2020年8月、誕生日を迎える前日に、交通事故によって命を落としてしまった。


……流石に、まだ15年しか生きていないんだもの。それに……せっかくの第二の生なんだから、もっと楽しみたいわ!


寮監から、学園内の図書館を使う許可をもらい、早速図書館へと向かった。



ーーー



「流石魔王養成学園……図書館だけでも、こんなに広いのですわね。」



壁一面、天井高くまで積み重なった本棚の中に、本がぎっしりと詰まっている。


つい夢中になってしまい、上ばかり見て歩いていると……



「わぁ!」


「おっと!……すまない、お怪我は?」



誰かにぶつかって転んでしまった。


声の下方を見ると、金髪碧眼の美しい男性がいた。


この学園の生徒だろうか?それにしても……めっちゃイケメン!


乙女ゲームとかにありそうなシチュエーションに、つい、リリは頬を赤らめてしまう。



「あ、いえ、大丈夫ですわ……。」


「そうか、よかった。僕はアルフ……レディ、失礼ですが、お名前は?」


「えっと……リリと申します。」



生まれて初めてレディなんて言われちゃった!


キャー!っと、心の中で完成を上げるが、一応これまで、次期魔王としての訓練を受けてきた身。


表面上は綺麗な笑みを取り繕っていたリリだった。



「リリ、ぶつかってしまって、悪かったね。」


「いえ、お気になさらず。」


「では、お……僕はこれで、失礼します。」



去っていく男性の後ろ姿を見つめながら、リリはここにきた目的を思い出した。


そうだわ!筆記の勉強をしにきたのでした!


急いで勉強用の参考書を本棚から抜き出し、借りた後、部屋へと戻っていった。



ーーー



「ふむ……あれが魔王の娘か。」



図書館の司書室、誰もいない部屋の中心で、先ほどリリにぶつかった男が独り言を呟いていた。



「もっと気が強くてわがままかと思ったんだが……呆気(あっけ)なさそうだな。」



静かに笑い声を漏らしながら、男は紙に何かを書いていく。



『革命計画』



紙の先頭には、そう書かれていた。




ここまでお読みいただきありがとうございます!

もし少しでも、面白いと思ってくれましたら、評価の方やブックマークなど、してくれるとありがたいです!


今後もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ