第6話 創世神話
かつて・・・この世界には何も無く、世界は真っ白な無だった。
その世界に一柱の創造神が降臨し、世界に色を付けた。色がつけられた世界は徐々に成長し、世界はとても色鮮やかになった。
しかし、色鮮やかになり資源が豊富になった世界は表側だけで、裏側は、土色や黒色といった生物の住みにくい荒廃した世界だった。
だが、表の世界の倍以上の広さを誇る裏側の世界を見捨てる事は創造神にはできなかった。
悩んだ創造神は、自分の息子と娘、二柱の神 光と太陽の神”アポロ二アスと ”夜と月の女神”ニュクスにこの世界を委ねる事にした。
『お前たち、二神に この世界を与えよう。表か裏どちらか好きな方を選び繁栄させよ!』
二神に後の事を託すと次の世界を創造するべく創造神は旅立った。
弟神のアポロ二アスは
「ボクは太陽神にして光の神だからね、眷族たちを光に導く使命がある。だから姉さんには悪いが、ボクは、表の世界をもらうよ!」
プライドが高く、自分こそが最も優れた神だと自称していたアポロ二アスは、迷うことなく元々溢れんばかりの資源に囲まれた表の世界を選んだ。
「・・・かまいませんよ。それでは、我は裏の世界を頂くことにします。我の生み出す眷族には困難に立ち向かえるだけの根性があると信じていますので、
ただし、我が裏の世界を引き受ける代わりに条件があります。お互いに決して干渉はしてはなりません。いいですね」
姉神であるニュクスは、弟に表の恵みに溢れた世界を選ばし、自分はあっさりと条件付きで瘴気に覆われた荒野が広がる裏の世界を選んだ。
そこから、二柱の眷族創作が始まった。
弟の太陽神 アポロ二スは、自分こそが頂点であると眷族たちに知らしめ、崇め奉らせるべく、繁殖率と崇拝させる知識、心を与えた”人間”を生み出した。
姉の月の女神 ニュクスは、眷族達に自分という存在に頼らずとも自分自身の力でどんな困難にも立ち向かえる力を持ってほしいという願いを込めて、自身にあたえられた権能を眷族たちに分け与え、無限の可能性を秘めた魔法という力を使える存在 ”魔族”を生み出した。
そうして、生み出された二種類の眷族たちそれぞれに二神は、一言だけ告げた。
「「繁栄せよ。」」
その神命を受けた種の始祖たる眷族たちは、着実に子孫を増やし、繁栄していった。
しかし、ここで、二つの眷族の繁栄の仕方に大きな変化が起きた。
人間たちは、自分たちの世界の資源が莫大であることを誇り、その資源を自分たちの為に、ひたすらに消費していったのである。人間が増えていくのに伴って
森の木々や動物たち、川の水や魚たちが世界から姿を消していき、綺麗だった空の空気は人間たちが生活で使う火の煙などで汚れていった。
方や魔族たちは、最初から何も無い荒野に瘴気に汚染された空気という環境に誕生し、「どうすれば、自分たちにとって住みよい環境になるのか」を考え、
神から与えられた魔力を使い、ある者は草木を生やし、ある者は水源を作り出した。
それは、容易な事ではなかったが、神に権能を分け与えられた魔族は長命で、何十年、何百年とかけて少しずつ子孫を増やしながら自然環境を整えていった。
そうして、約千年の月日が経つ頃には、荒野が広がり、瘴気が満ちていた世界が嘘のように大地は草木に覆われ、干からびていた湖には、透き通る程の美しい水が溢れ
瘴気で濁っていた空は、澄み渡る青空になり、まるで楽園のような世界へと変わった。
そうして、人間と魔族 表と裏の世界は互いに干渉することなく、資源が満ちた世界から枯渇した世界へ。絶望の世界から希望に満ちた世界へと
長い歴史を賭けて変貌していった。