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第19話 復讐対象

どうしてこうなった・・・


簡単な仕事のはずだった。今度行う大規模な魔界侵攻の事前調査の為の派遣、魔界につながる門の位置と門周辺の環境とそこに住まう魔族の種族を調べる事。

そんな楽な仕事で大金が手に入る。しかも、生きた魔族を持ち帰ると更に金が転がり込む一石二鳥の大仕事・・・なのに


「さてと・・あなた達には、この森を焼いた責任を取ってもらいますね。 もちろんお代は命で。」

目の前の魔王と思われる妖精の少女は不敵な笑みを浮かべつつ自分たちを殺すと告げる。


(くそっ! こんなところで死んでたまるかよ!!)

「おい! お前ら 死にたくないなら武器を構えろ!!  やられる前に殺るぞ! それしか俺達が生き残る道はねぇ!!」

リーダーの男の命令で二人の男が香に弓を向けた。


「”創種”ヤドリギ」

香は、新たに二つの種を創りだしそれを弓を構えた男に投げつける。

投げつけらた二つの種は、魔王となった身体能力の向上により、凄まじい速度でまるで銃弾のように肉を貫き男たちの身体へとねじりこむようにして植え付けられる。


「がっ!!?」

「ぐっ!! なっ・・体から、つ、蔓が・・植物が!!?」

男たちは、激しい痛みを感じながらも自分の身体から急成長しながら伸びてくる植物をひたすらに引き千切るが、ちぎってもちぎっても次から次へと伸びてくる。次第に体力を奪われていき

結果、生命エネルギーを全て吸いつくされ、絶命。全身を植物にヤドリギに覆われた干からびたミイラとなった。 ほんの2,30秒の出来事であった。


「う、うそだろ・・・。」

「あいつらが・・一瞬で・・・。」

「うっうわあああああああ~~~~ウッドバイン・・・ぐはっ!!?」

再び術を行使しようとしていたフードの男を一本の木が刺し貫いていた。


「”創種” 樹木子、私たちの世界の妖怪と呼ばれる存在で人の生き血を求める木のモンスターをちょっと改良して魔力に反応するようにしてみたの。

さてと、残りは・・二人か、”実験材料”も随分減っちゃったな・・・」


自分たち人間をただのモルモットにしか思っていない目の前の少女に改めて恐怖を感じた。


「ねぇ、あなたたちに一つ聞きたいんだけれど・・・私の顔と名前に覚えはない?」


「い、いや・・・お、俺は何も・・・」

「ぐぎゃぁあああ・・・。」

リーダー格の男を一人残して、もう一人の男も先程の樹木子に貫かれ事切れた。


「嘘ね、だって私は、あなたの事をよ~~く知っているんだもの。 そうでしょう衛兵のリーダルドさん。」


「!!!!」

リーダーの男リーダルドは、かつて異世界に召喚されたばかりの人間だった頃の香を縛り上げ牢へと連行した男だったのだ。


「し、仕方なかったのだ!!あっ、あれは王の命令で・・しか」

「仕方なく拷問官でもない、あなたが私に鞭をうち、煙草の火を私に当て、顔を蹴り歯を折ったと?」


「!!!!」

そう、香は、ひとりひとり拷問されながら、それに耐えつつ聞き耳をたて復讐対象者の素性を調べていた。その結果、拷問官や看守たちの愚痴やもんくでホイホイと情報が

流れ込んできた。 そのうちの一人が目の前の男、衛兵のリーダルドだったのだ。


「やっと会えましたね。私の大事な大事な復讐対象さん・・・」



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