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第18話 創種

「さてと・・今度は、こちらの番でいいのかな?」


強い魔力を発する頭に大きな花を咲かせた妖精の少女である香から一気に距離をとる男たちは、青ざめた顔で香の様子を伺う。


「お、おい・・どうするんだよ、まさか本当に目の前の少女が魔王だというのか?」

「やばいんじゃねぇか? 逃げるか・・」


「落ち着け! 何かの間違いだ! 妖精の姿をした魔王なんて見た事も聞いた事も・・・」


「いや、君たちの推測通り、彼女は新たに生まれた魔王だよ。」

リーダー格の男の言葉を遮り、微かな期待と希望をぶち壊すかのように紅太郎が真実を告げた。


「彼女の名は、”花の魔王”花園 香。 君たち人間が行った勇者召喚の犠牲者だ。」


「花園・・香・・・。」

男たちには、その名に聞き覚えがあった。

数週間前、新たな勇者召喚に成功した自分たちの国の王が、その召喚に紛れ込んだ不純物を全国民の前で公開処刑したのである。


新たに生まれた勇者様によって、斬首された罪人。 ”花園 香”


「紅太郎さん、いいんですよね? 私がこの人達全員の相手をしても・・。」

「はい、問題ないですよ。僕は手出ししないと彼らに誓いましたので。これが初の実戦訓練です。」

ニッコリと笑ったような気がする鳥頭の紅太郎に頷き、


(さてと、どうやって殺そうかな?)

などと我ながら物騒な事を考える。すでに人間に対して同情や哀れという感情を感じる事が無く、あくまで排除する対象としか感じなかった。


(とりあえずは、この森の火をどうにかしないと・・)

いまだに燃え盛る森を眺めつつ少し考え


「”創種”・・」

スキルを発動させる。私の手のひらの上に赤く小さな種を5粒程生み出し、私の足元にばらまく。


「”急成長” 咲き誇りなさい”火喰い花”」

先程、地面に蒔いた種から一瞬で5厘の花が咲き誇った。

その花は、燃え盛る炎のように赤く花の中央には大きな口がついており、開花した瞬間に不足している養分を取り入れるかのように森を焼き尽くす炎を吸いつくしていく。


「「「「「なっ!?」」」」

たちまち、今まで燃え広がっていた炎を食い尽くし、満足したように枯れて再び5粒の種になり香の手のひらの上に帰っていく。


「ご苦労様。」

手のひらの上の種に優しくねぎらいの言葉を送り、種を体内に戻し自分の魔力に変換したあと


「さてと、これで心配事はなくなった訳だし、心おきなく安心してあなたたちの相手ができますね。」

種たちに向けた優しい笑顔とはまったく別の笑みを向けつつ、男たちに近づいていく。



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