第14話 森の住人
今回から数話ほど、第三者視点です。
私は、花の妖精メアリー 私達、妖魔の森に棲む妖精族は、植物とくに花から漏れ出す魔力を糧に生きています。
しかし、大昔にあった人間たちとの戦いで私たちの魔力の源である花々が少なくなっています。
そこで、花の魔力を少しでも多く採取するべく、大人の妖精に禁止されている森の入り口付近まで友達の妖精たちとともに探索に来ました。
「ねぇ~メアリー、これ以上は危ないよ~」
「そ、そうだよ長老たちが言ってたよ。入り口付近には人間たちの門が開きやすいって・・あいつら、僕らを見つけると捕まえちゃうんだって・・」
友達の妖精のリリィとジャックが泣きだしそうな顔をしながらやめようと言って来る。
「何言ってんのよ。聞いた話では遺跡地帯で錬成の魔王さまが門を破壊したばかりだって、そんな簡単に次の門が開くわけが・・・」
無いと言おうとした時、空間が歪み、三人の前に門が現れた。
「え!? あ・・あれって、ひょっとして人間が現れるっていう門?」
「ど、どうしよ~~」
「とにかく、隠れるわよ!」
動揺するリリィとジャックの手を引き、私たちは木々の隙間に身をひそめ様子を伺っていると、門から5、6人の人間が姿を現した。
「なぁ~、本当に俺達だけ大丈夫なのか?勇者さまも一緒に来てもらった方が・・もし、凶悪な奴が出たら・・」
「心配すんなって、今回は侵攻目的じゃねぇから、そんなに時間を掛けねぇし、それに俺達だけでも問題ないレベルの場所に門を開いてもらったんだ。さっさと調査をすまして帰れば問題ないさ。」
「だが、わざわざ調査の為に門を開いてもらった国王たちに土産の一つでも持ち帰りたいが・・・」
「このあたりだと・・・やっぱり生きた妖精族じゃないか?あいつらは観賞用にも”魔鉱石”の素材としても高く売れるからなぁ~!国王もきっと喜ぶだろうよ。」
木の隙間から様子を伺っていたメアリーは、唾をごくりと飲み込む
(やっぱり・・・あいつらは私達を捕まえる気なんだ・・・)
この事を早く妖精族の皆に知らせに行くべく、出る機会を探っていると
「あいつらを炙り出すには、やっぱりコレが一番だよなぁ~」
人間の一人がニヤニヤしながら荷物の中から大きな箱を取り出し、蓋を開け、中に入っている黒い液体の中に頭に布をつけた木の棒をつけゆっくりと液体を染み込ませていく。
(・・・・なにをしているんだろう?)
メアリーが棒を持った男を観察していると
「インカ」
人間族に伝わる魔術で手に持つ木の棒の先端に火をつけ、そして・・・
「なっ!? なんてことを!!」
なんと男は、火のついた棒の先端を森の木々に当て、火をつけ始めたのだ。
たちまち火は森の木々に燃え移っていく。
「あっ・・あんたたち! なんてことしてくれてんのよ!!」
「ちょっと、メアリー!!」
「ダメ!!!」
男たちの行動に我慢できなくなったメアリーと、メアリーを止めようとしたジャックとリリィは男たちの前に飛び出してしまった。




